|
第8話:運命の夜 弘徽殿の女御と藤壺の女御と仲良くなった火月は、以前の明るさを取り戻し、桐壺の女御のいじめも影を潜めていった。 だが、火月の心は晴れなかった。 入内前夜に、有匡と肌を交えたことが未だに忘れられないのだ。 有匡の荒い息遣い、熱い手の感触、そして体内で感じた熱い兄の体液・・火月はいつしか自分を慰める日々を送っていた。 乳母の寿子は有匡に文を書いた。 5月になり、夏の匂いが感じられる頃。 有匡が御所に参内した。 彼は京を守る陰陽師として、帝から信頼され、毎日御所へと参内していた。 その日の夜、有匡は麗景殿の女御から失せ物探しを依頼され、麗景殿へと赴いた。 「有匡様よ。」 「まあなんと凛々しいお顔。」 「なんという神々しさでしょう・・」 「ずるいわよ、私にも見せて。」 麗景殿の女房達は京一の陰陽師の顔見たさに、御簾に殺到していた。 (お兄様・・) 火月は有匡の顔を見て、体が熱くなった。 「女御様、どのような失せ物をお探しでしょうか?」 有匡の形の良い唇が、火月の前で動く。 火月は堪らず、御簾から出た。 「女御様、なりません!」 周りの女房の制止を振り切り、火月は有匡を押し倒した。 「女御様、何を・・」 「お兄様の意地悪!他人行儀な物言いはお止めになって!」 それから寿子の計らいにより、女房達はそれぞれの部屋へと帰っていった。 「お兄様、激しく私を壊して!!早く抱いて!!」 有匡は火月の唇を貪り、激しく抱いた。 「ああ、ああんっ、あぁーーっ!」 この夜を機に、有匡と火月の運命の歯車は狂い始めていく・・ 有匡さん再登場。 なんか火月ちゃんメインと化していたのでこれからは有匡さんをドンドンだそうと思っています。 次回、桐壺の女御がアノ人物に呪詛を依頼?! まあ、「火宵の月」読んだことがある人は、判ると思いますが。 これからは2人に降りかかる様々な災難を書こうと思っておりますので、おつき合い下さいませ。 |