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第4話:入内前夜 火月が京の土御門邸に来てから1週間が経った。 貴公子達の求婚を全て断った火月は、琴を弾いたりと悠々と毎日を過ごしていた。 そんな火月を見た有匡の叔父は、あることを思いつく。 ある日の夜、一族揃っての食事の席で、有匡の叔父は嬉しそうに火月に言った。 「火月、お前は入内することになったぞ。」 ザワッと辺りがざわめいた。 スウリヤは微笑みながら言った。 「まあなんてことでしょう。お荷物だったこの子が入内するなんて。」 やっと愛人の子と暮らすことがなくなると知ったスウリヤは喜色満面だ。 「火月よ!お前の美しい姿に帝は心を奪われるであろう。必ずや男の子を生み、土御門家を繁栄させるのだ!」 それを聞いた火月は逃げるように部屋へと帰ってしまった。 寿子も慌てて後を追う。 火月の入内の話は本人の意思など無視してどんどん進んでいき、スウリヤが土御門家の名に恥じぬようにと、豪華な調度品や衣を支度する始末だ。 有仁はそんな妻の様子を苦々しく見ていた。 スウリヤは綾香と似ている火月を入内させることで厄介払いできると思っているらしく、いままでの冷たい態度はどこへやら、手のひらを返すように火月に優しくなった。 (なんて女だろう、私はこの女と結婚したのが間違いだったのか・・) 有匡もそんな母を見て吐き気がしてならなかった。 母と叔父は愛人の子である火月が邪魔だから、入内をさせようと思いついたのだ。 (母上はなんて冷たい女だろう。これでは火月が可哀想だ。) そして入内前夜。 家の者が寝静まった真夜中、火月は眠れず、有匡の部屋へと向かった。 有匡は日頃の激務で疲れているのかぐっすりと寝ていた。 「お兄様。」 火月は有匡の寝所に潜り込んだ。 人の気配を感じた有匡は起きた。 「火月か、もう子の刻を過ぎてるぞ。」 「お兄様、抱いてください。」 そう言うと火月は有匡を押し倒した。 「何バカなこと言ってる、お前は帝の元に・・」 「入内などしたくない!」 火月は泣き叫びながら言った。 「私が生涯添い遂げたい相手はお兄様だけ!抱いてお兄様!抱いて私を激しく壊して!!」 火月の一言で有匡の理性が一気に崩れ落ちた。 有匡と火月は互いの衣を引き裂き、激しく貪り合った。 翌朝、火月は牛車に乗る前に、有匡に微笑んでこう言った。 「お兄様の肌のぬくもりを、私は一生忘れません。」 火月は御所へと向かった。 これから待ち受けている運命を知らずに。 有匡さんと火月ちゃんの関係が少し危うくなってしまいました。 次回は火月ちゃんが後宮でいじめに・・女の怖さを書こうと思っていますので、楽しみに待っていてください。 マイペースで書き進めていきたいと思っていますので。 |