|
第16話:絶望 スウリヤはいつまでも有匡が去った門を見つめていた。 『お前など・・地獄に堕ちればいい・・』 腹を痛めて産んだ息子が自分に言い放った一言。 この家に嫁いできてから10年近く。 有仁の愛を独占したいあまりに、スウリヤはワガママになっていった。 やがて有仁はそんな彼女に愛想を尽かし、宇治の愛人の元へと行ってしまった。 『お前みたいな女、うんざりだ。』 愛人が出来たことに激しく責め立てるスウリヤに、有仁はそう言い放った。 (私はあなたの愛が欲しかったのに) 夫との関係が冷えきり、息子・有匡に愛情を注いだ。 だが、愛人の娘・火月と親しくなっていく有匡を見るとスウリヤは腸が煮えくりかえった。 (綾香・・どこまで私を苦しめれば気が済むのよ) 火月に辛くあたったのは、最愛の息子を夫のように愛人の娘にとられたくなかったから。 激しい憎しみがスウリヤの心を支配し、鬼となった。 (お前さえいなければ、私は有仁様の愛情を一心に浴びれたのよ!) そして、火月を邸から追い出し、有輝を取り上げた。 だが、息子に愛想を尽かされた。 手塩をかけて31年間育てた息子に。 (私はこれから何を支えに生きていけばいいの?夫には愛想を尽かされ、息子にまで・・私は一体何を・・) スウリヤは部屋の隅に置いてあった懐剣に目を留めた。 これは有仁が昔、正妻の証としてスウリヤに贈った物だ。 スウリヤはためらいもなく懐剣を自分の首筋にあてた。 今回はスウリヤの独白を。 有仁さんを愛する余り、わがままとなり欲深い女となったスウリヤ。 でも有仁さんは彼女に愛想を尽かし、そしてスウリヤは息子・有匡にまでも愛想を尽かされてしまう。 絶望がスウリヤの心を支配する。 スウリヤが取った行動は・・。 ドロドロの泥沼状態になります。 |