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第12話:深い恨み 桐壺の女御の父・右大臣源実時は、左大臣である土御門家の姪・火月が皇子を生んだことにより、これまで宮廷を牛耳っていたのが逆転、大臣へと出世した身が閑職へとおいやられた。 実時は太宰府の地方官として左遷され、崩れ落ちる寸前のあばら屋を住居に与えられた。 (おのれ・・土御門・・許せぬ・・末代まで呪うてやる・・) 実時はろくな食事を口にすることもできず、渇きと飢えに苦しんだ末誰にも看取られずに死んだ。 父の訃報を聞いた桐壺の女御は、火月に対して激しい憎しみが湧いた。 毎日火月への呪詛を欠かさず行った。 その効果が出たのか、生まれてまだ5日も経っていない有輝が、流行病にかかった。 高熱を発し、体が激しく痙攣する。 有匡は加持祈祷を8日間飲まず食わずで行った。 有輝は一命を取り留めた。 (おのれ!) やがて後宮内に噂が流れた。 『有輝親王が流行病にかかったのは桐壺の女御が呪詛をしたからだ。』 桐壺の女御はバレるはずがないとタカをくくっていた。 しかし、弘徽殿の女御に護摩壇を焚いているところを見られてしまう。 帝は謀反をしたとして桐壺の女御を鬼界島へと流罪にした。 (私がこんな目に遭うのは、あの忌々しい化け猫のせい・・あの女さえいなければ父上も惨めに死ぬこともなかったわ。それに有匡・・あの陰陽師め。狐の子のくせに・・。死んでも許さぬ。末代まで祟ってやる・・) 桐壺の女御は、父・実時と同じ末路を辿り、浜辺で野垂れ死んだ。 この父娘の深い恨みは、土御門家の子孫を苦しめることになる。 桐壺の女御、謀反の罪により鬼界島へと流され、野垂れ死ぬ。 権力に執着する余り、火月ちゃんと有輝に毎日呪詛をかけ、そのことが帝に露見し、悲惨な最期を遂げる。 深い恨みは末代(現代)の土御門家の子孫を苦しめることとなる。 人の恨みは恐い。 『源氏物語』の六条の御息所は、光源氏を忘れられず、生き霊となって葵の上を苦しめ、とりころしましたし。 死んでもなお、怨霊として光源氏の前に現れますし。 火月ちゃんが桐壺の女御にとりころされそうで恐ろしいです。 |