誰がために鐘は鳴る

作:美桜さん

ただずっと、何かを求めていた。 
例えばそれは、形等無い、自由のようなものを。
手に入れたつもりで息巻いてみたりもした。
けれどそれは、手の平から気がつかないうちに
零れ落ちてしまう程小さく、儚いもので。

早く大人になりたくて、無理に大人ぶってみせても。
結局あたしはあたしだし、変われるものでもないのに。
今この瞬間は、2度と戻って来ないんだと気がついた。
少し遅すぎたかもしれないけれど。

あたしが探していたもの、求めていたもの。
それは、あなたの中にあった。
あれだけ考えても解らずにいたもののの答えも、
全て、あなたが持っていた。

あなたと出会えた事が奇跡だと言うのなら、
これが、あたしに起せた最初で最後の奇跡だと、そう信じているから。

鐘が鳴り響く。
あたしとあなたの新たな旅立ちを祝う、祝福の鐘が。
微笑を浮かべてあたしを見つめるガウリイに、
あたしも、白いヴェールの中から微笑を返して。
誓いを交わして、また歩き出そう。
また、いつもと、何一つ変わるはずも無い、あの旅へと。

違うのは、
あたしとガウリイの関係と、
お互いの指にはめられた、誓いの指輪。







Fin.


貰いモノは嬉し!へ戻る