再び時が重なる。 あの時止まってしまったあたしとガウリイの時間が ゆっくりと、けれども確実に、動き出した。 やっと巡り逢えた。 やっと探し出した。 あの時、言葉だけを残して、 想いだけを残して去って行ったガウリイ。 行き場の無い想いを抱えて、一人苦悩していたガウリイ。 あたしに告げる事が出来なかったのは、 きっと、あたしがガウリイに想いを伝えられなかった事と 同じ理由なんだって、わかるから。 あたし達は過ちを犯してもやりなおせる。 再び時が重なり、動き出したのだから。 過ぎ去った時間は二度と戻る事は無くても、 未来はまだ、目の前に開けているから。 幸い、お互いを失わず、また巡り逢えたし。 お互いの想いを確かめ合う事だって、出来たんだから。 もしかすると別離の前よりも、良い状態かもしれないって、 そう思うから。そう思えるから。 灰色に滲んだ空。 それは終わってゆく秋の悲鳴のようで。 吐いた息が、それを労わるかのように、 空を白く染めて、消えて行く。 長い間、お互いの間に違う時間を過ごして来たけれど、 この想いは、結晶になったかのように心に残っていた。 だからこそ、今、ここに居るんだから。 せわしなく歩く人の波に逆らうように、 あたし達はまた歩き出す。 別離ではなく、共に、新たな旅路へと。 あたしを呼ぶその声。 頭を撫でるその大きく暖かい手。 何もかも、あたしが捜し求めたモノだから。 そのやわらかそうな唇に触れたい、 しなやかで強靭な肉体に触れたい、 絹糸のようにさらりとした、その金色の髪に触れたい。 その全てが、今あたしの目の前にある。 舞い落ちる雪は、あたし達を止めもせず、 ただ静かに、全ての上に降りそそぐ。 まるで、あたしの想いのように。
Fin.
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