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1914年6月28日。 オーストリア皇太子・フランツ=フェルディナンドとその妻・ゾフィーがサラエボで暗殺された。 そのニュースを新聞で知り、エドは衝撃を受けた。 エリザベスの予言は、見事に的中した。 『この戦争は悲劇から始まるわ。』 彼女が言った、『悲劇』とは、このことだったのだ。 「おばあ様って、すごいや・・」 エドはそう言って、紅茶を飲んだ。 「おい、ボリニュイ!知ってるか、あのサラエボのー」 新聞を片手に興奮気味に話しかけてくる仲間を見て、ボリニュイは呆れた顔で言った。 「今更驚かなくても、もうみんな知っていることだろう?どうしていちいちそんなことで騒ぐのか、私にはわからないねぇ。」 「戦争が始まるんだぜ!俺達頑張ったら、階級があがあるかもしれないんだ!」 「階級、階級って・・それがそんなに大事かい?全く、君たちの話はもう聞きたくないねぇ。」 そう言ってボリニュイはけげんそうな顔をして仲間の元から去っていった。 「・・なんなんだ、あいつ。」 「わかんねぇ奴だよな。」 ボリニュイは自室でレイチェルの言葉を思い出していた。 『お姉様はルドルフ皇太子様のお妃候補だったのよ。』 (あの言葉は本当だったのだろうか・・) ボリニュイは再びローズワース邸へと向かった。 Novel&Message by 千菊丸さん |