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「で、レディ・エリザベスの予言ってなんだい?」
パイをた切れを平らげ、ボリニュイはそう言ってエドを見た。 「近々、戦争が起こるらしい。その戦争は悲劇に始まり、4年後に終わるって。」 「レディ・エリザベスは、でたらめを言ったことはないのか?」 「どういう意味だ、それ?」 エドはそう言ってボリニュイをにらんだ。 「いや、彼女の予言はよく当たるのかって話さ。」 ボリニュイはいつの間にかエリザベスを侮辱していたことを知り、慌ててそれを取り繕っていた。 「ええ。マイヤーリンク事件のことも、お姉様は予言したわ。」 「マイヤーリンク事件?それは何ですか?」 「もう25年前のことだからあなたは知らないわね。オーストリアの皇太子様がマイヤーリンクで謎の心中自殺を図ったのよ。暗殺じゃないかという噂が出ているわ。マイヤーリンク事件を、お姉様は事件の12年前に予言したのよ。」 「それが当たったのですね。それでは最後に遺した予言も・・」 「ええ、必ず当たるわ。」 レイチェルはそう言って窓を見た。 空には暗雲が立ちこめていた。 「ひとつ聞きたいんだが、レディ・エリザベスは自殺・・じゃなかった、暗殺された皇太子様とどんな関係だったんですか?」 ボリニュイはそう言って席を立った。 「お姉様はね、死んだルドルフ皇太子様のお妃候補だったの。お姉様は、ルドルフ皇太子差様に迫り来る死の影を見て、皇太子様との結婚を断ったのよ。」 「そうですか・・」 ボリニュイは何か言いたそうな顔だったが、ローズワース邸を出ていった。 Novel&Message by 千菊丸さん |