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「あら、ソフィア、奇遇ね、あなたとこんな所で会うなんて。」 そう言うとアンヌはルビーのロザリオをつけた女に近づいた。 「アンヌ様、ご機嫌いかが?まぁ、その子はあなたの若いツバメかしら?」 ソフィアと呼ばれた女は、馬鹿にしたように言った。 「これは私付きの小姓よ。それよりもソフィア、このロザリオだけど・・」 アンヌは笑顔でソフィアの胸元からルビーのロザリオをむしり取った。 「あなたには地味で似合わなさすぎるわ。それにあなたの髪にはこのアクアマリンのピアスがお似合いよ。」 あ然とするソフィアに向かって、アンヌはアクアマリンのピアスを耳から外し、ソフィアに向かって投げつけた。 「アンヌ様嫉妬していらっしゃるの?モンテリオ様がソフィア様に夢中なのを。」 「政略結婚でも、アンヌ様は女ですものねぇ。」 ソフィアの取り巻き達が口々に陰口を叩くなか、アンヌとソフィアはにらみ合っていた。 「アンヌ様、クリスマスはお過ごしになられるご予定かしら?私はモンテリオ様とローマに行くのよ。」 「まあ、そうなの。でも私はスペインの方達とパーティーを開くのよ。忙しくなりそうだわ。」 「スペイン?うらやましいわ、アンヌ様はスペイン語が話せることができて。」 「あなたはだれかれ構わず男に愛想をふりまけていいわね。」 カリンはアンヌがその後に唇だけを動かして、「尻軽女」と言うのを見た。アンヌとソフィアの間には、見えない火花が散っていた。 「そうですわ。来週末にウサギ狩りがありますの。アンヌ様もいかが?」 「ウサギ狩り?まぁ、私が1番やりたかったことなの。ご一緒させていただくわ。」 「アンヌ様のご勇姿を拝見させていただきますわ。」 「ウサギ狩りはあなたがお開きになるの、ソフィーさん?」 アンヌは意地悪く目を細めてソフィアに言った。ソフィアは顔を赤くし、アンヌにそっぽを向いた。ソフィアは乗馬が大の苦手なのだ。 「閣議に遅れるわ。みな様、ご機嫌よう。」 勝ち誇った笑みを浮かべながら、ソフィア達の横を通り過ぎるアンヌ。ソフィアの顔は耳元まで怒りで赤くなり、手はわなわなと震えている。 「アンヌ様、あの人は・・」 「さっき馬車の中で話したでしょう。あの子がモンテリオの愛人よ。」 「さっき気づいたんですけど、アンヌ様とあの人って、目元が似てますね。」 「馬鹿なこと言わないで。あの女と私は赤の他人よ。」 ピシャリとアンヌは言い捨てると、先程ソフィアから奪ったロザリオを首に下げた。 「それ、ソフィア様の?」 「お前、記憶力が悪いの?これは私の父の物で、元は私のものよ。」 「でもあれは売られたはずじゃぁ・・」 「売られた方は、200万ルーブルにしかならない安物よ。ソフィアは古びた城に住んでいるのよ。」 モンテリオの愛人・ソフィアが登場。 ソフィアは神官の生まれ変わりです。 正妻と愛人。 泥沼の関係になってますね。 アンヌの方はソフィアに対して毅然としています。ソフィアは正妻を馬鹿にしています。それは正妻よりも自分の方が愛されているという自信から来るものでしょうね。 次回、あのお笑い芸人が登場?! Novel&Message by 千菊丸さん |