PURE

第四幕
『晩夏』

第23話


作:千菊丸さん
ジャスティンはフランソワを罵りながら殴った。
「お前みたいなクズは目障りなんだよ。」
フランソワはジャスティンのすねを蹴った。
「この野郎・・」
「お前だってクズだ!」
「言わせておけば!」
ジャスティンはそう言ってフランソワに飛びかかった。
「やめなさい!」
鋭い声がしてフランソワが振り向くと、そこには険しい顔をしたエリザベスが立っていた。
「エリザベス、ご機嫌麗しゅう。」
ジャスティンはエリザベスに微笑んで、彼女の手にキスしようとした。
だが、エリザベスはジャスティンを突き飛ばした。
「なれなれしいにも程があるわ。」
エリザベスはそう言って扇子をあおいだ。
「フランソワ、どうして喧嘩なんて・・」
「こいつがエリザベス様のことを『変人』って・・」
「こいつはお前と一緒になりたいから、諦めさせようと思ったのさ。」
「そう。でもあなたとはお付き合いしたくないわ。顔を見るのも嫌。」
ジャスティンの顔が怒りで赤くなった。
「このアマ、いい気になりやがって!この、汚らわしい魔女が!」
ジャスティンはそう言ってエリザベスを殴ろうとした。
「レディに手をあげるとは、感心しないな。」
ルドルフが2人の間に羽って入った。
「君は招待されてないはずだろう?さっさと帰りたまえ。」
「クソッ」
ジャスティンは舌打ちして広間を出ていった。
「助かりました。」
「いいえ。」
その時、フランソワとルドルフの目が合った。
「君は?」
「エリザベス様の従者で、フランソワと申します、皇太子様。」
フランソワは挑むようにルドルフに言った。
ルドルフはフランソワに向かって微笑んだ。
だがそれは、心からの笑みではなかった。
「こちらこそ、よろしく。私はエリザベスさんの婚約者のルドルフだ。」
“婚約者”という言葉に、フランソワはムカッときていた。
ルドルフは恋敵を観察している。
(戦うには、充分な相手だな。)
男同士の戦いが、静かに始まった。









Novel&Message by 千菊丸さん


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