PURE

第四幕
『晩夏』

第22話


作:千菊丸さん
「あなたには関係ないでしょう。」
フランソワはそう言ってジャスティンの横を通り過ぎようとした。
だがジャスティンはフランソワの腕を掴んだ。
「フランソワ、エリザベスはお前なんかと付き合いたくないってさ。貧乏は嫌だってさ。」
そう言ってジャスティンは鼻を鳴らした。
「お前みたいなクズに、エリザベスが本気にする訳ないだろ?ま、変人だけどそれは目をつぶるとして・・」
ジャスティンの顔に、フランソワの拳が飛んだ。
「僕のことをあれこれ言ってもいい!でも・・エリザベス様の事を悪く言うのは許せない!」
エリザベスは人と違う能力を持っていることに、苦しんでいた。
そんな彼女を笑うジャスティンが許せなかった。
「この野郎・・!」
ジャスティンは憎悪に顔を歪ませ、フランソワに飛びかかってきた。
ルドルフとエリザベスは、人気のないバルコニーで話をしていた。
「アンヌ様はどのような方だったんですか?」
ルドルフの問いに、エリザベスは自信満々に答えた。
「フランス宮廷の重鎮でした。女でありながら、絶大な権力を手にしていました。」
「彼女は結婚していたんですか?」
ルドルフはそう言って広間の方を見た。
「ええ。でも、夫には愛人がいました。しかも子どもまで。アンヌ様は夫との間には子どもはいませんでした。」
エリザベスは吐き捨てるように言った。
「由緒ある家系、と言っても夫の方は母親が娼婦上がりだったとか・・」
「アンヌ様はご主人のことは快く思っていなかった?」
「さあ・・彼女の日記は行方知れずになってしまって・・そこまでは。ただ、夫のことは愛していなかったようです。」
その時、広間の方が騒がしくなった。
「どうしたのかしら?」
エリザベスは広間の方に目をやった。
そこには、ジャスティンと殴り合いをしているフランソワがいた。
「少し失礼してもよろしいかしら?」
「ええ、構いませんよ。」









Novel&Message by 千菊丸さん


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