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「あなたには関係ないでしょう。」
フランソワはそう言ってジャスティンの横を通り過ぎようとした。 だがジャスティンはフランソワの腕を掴んだ。 「フランソワ、エリザベスはお前なんかと付き合いたくないってさ。貧乏は嫌だってさ。」 そう言ってジャスティンは鼻を鳴らした。 「お前みたいなクズに、エリザベスが本気にする訳ないだろ?ま、変人だけどそれは目をつぶるとして・・」 ジャスティンの顔に、フランソワの拳が飛んだ。 「僕のことをあれこれ言ってもいい!でも・・エリザベス様の事を悪く言うのは許せない!」 エリザベスは人と違う能力を持っていることに、苦しんでいた。 そんな彼女を笑うジャスティンが許せなかった。 「この野郎・・!」 ジャスティンは憎悪に顔を歪ませ、フランソワに飛びかかってきた。 ルドルフとエリザベスは、人気のないバルコニーで話をしていた。 「アンヌ様はどのような方だったんですか?」 ルドルフの問いに、エリザベスは自信満々に答えた。 「フランス宮廷の重鎮でした。女でありながら、絶大な権力を手にしていました。」 「彼女は結婚していたんですか?」 ルドルフはそう言って広間の方を見た。 「ええ。でも、夫には愛人がいました。しかも子どもまで。アンヌ様は夫との間には子どもはいませんでした。」 エリザベスは吐き捨てるように言った。 「由緒ある家系、と言っても夫の方は母親が娼婦上がりだったとか・・」 「アンヌ様はご主人のことは快く思っていなかった?」 「さあ・・彼女の日記は行方知れずになってしまって・・そこまでは。ただ、夫のことは愛していなかったようです。」 その時、広間の方が騒がしくなった。 「どうしたのかしら?」 エリザベスは広間の方に目をやった。 そこには、ジャスティンと殴り合いをしているフランソワがいた。 「少し失礼してもよろしいかしら?」 「ええ、構いませんよ。」 Novel&Message by 千菊丸さん |