PURE

第一幕
『再会』

第8話


作:千菊丸さん
「アンヌ、こいつは・・」
「今朝市場で買いましたの。私付きの小姓のカリンですわ。」
「私は聞いていないぞ!」
モンテリオオは声を荒げた。
「小姓が欲しかったところですの。朝奴隷商人から買いましたのよ。」
アンヌはマリーに結ってもらった髪を鏡で見ながら、夫の様子を見ながら続けた。
「700万ルーブルで。」
「700万ルーブルだと!」
モンテリオは気絶しそうになりながらも、なんとか持ちこたえた。
「こんなやせっぽちに大金を払って!一体お前は何を考えているんだ!」
「あら、あのエメラルドよりもこの子の方が価値がありますわ。」
そう言ってアンヌはモンテリオを見た。
「お前、母上のエメラルドを・・」
モンテリオは妻の胸ぐらをつかんだ。
「お前、なんということを!あのエメラルドは、母が結婚祝いに贈ってくれたものだぞ、それを、お前は・・」
「父が大事にしていたルビーのロザリオを売って、あの女に城を与えたのはどなたかしら?」
アンヌはそう言って、モンテリオの手首をつかんで振り払った。モンテリオはベッドの柱に顔をぶつけた。
「仕方ないだろう、あれは・・」
「あのロザリオは、父の形見だったの。」
アンヌはそう言って、モンテリオの顔をふみつけた。モンテリオは低い悲鳴をあげた。
「あなたのお母様から貰った物など、ひとつ残らず売り払ってやるわ。」

「あの、エメラルドのネックレスって・・」
「ああ、あれはお前を買うために売ったの。あの人のお母様のお気に入りだったそうで・・」
そう言うとアンヌは扇子で口元を隠して笑った。
「カリン、あの人のことは気にしないで。あの人は何もできないヘナチョコなんだから。」
「でも、愛していらっしゃるんじゃ・・」
「愛しているですって?私が、あの人を?」
そう言うとアンヌは大声で笑った。
「あの人を愛しているなどいるものですか。あの人は愛人をつくり、子どもまでいるんだから。」
「あ、愛人!」
カリンはアンヌの言葉に赤面した。
「ウブねぇ。その様子じゃ、まだ女も知らないようね。」
「だってアンヌ様がいきなり・・」
「可愛いがり甲斐があるわ。」
「アンヌ様の意地悪っ!!」
そう言ってカリンはむくれた。アンヌはそれを見てまた大声で笑った。
「なんて面白いのかしら、お前は。宮廷ではおもちゃにされるわね。」
馬車はやがて王宮に着いた。
天井が高く、広い王宮は、カリンにとって新鮮だった。
「うわぁー、広い。」
「早くついてきなさい、迷子になるわよ。」
アンヌの声でカリンは我に返り、彼女の後を追った。
「これから閣議だわ。今日は色々とやらなきゃならないことが多いから、帰りが遅くなりそう。」
アンヌはそう言って廊下を歩いていたが、ピタリとその足が止まった。
「どうか、なさったんですか?」
アンヌの視線の先には、貴婦人達がいた。
その中に、ルビーのロザリオを下げている女がいた。









アンヌさん、カリンちゃんをからかってます。
マダムからおもちゃにされる若いツバメ状態(←おい)。
ルビーのロザリオを下げた女は、アンヌの宿敵です。
誰の転生した姿なのかは、次回でわかります。

Novel&Message by 千菊丸さん


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