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パリの定期市は、人でごったがえしていた。 野菜・果物・家畜・・そして人。 ここでは色々な物が売買されている。 市では、大道芸人達が芸を披露し、占い師達が運命を占っていた。 そして奴隷商人は、海外から仕入れてきた『商品』を売りさばく。 あの夢を見てから、アンヌはどうしても少年を救いたかった。 私は、あの子を自分の手元に置かなければならない。 何故だか判らないけれど、そんな気がしてならない。 「お嬢様、あまり走られますと、危ないですよ。」 「構わないわ。ねぇ、あなた。」 アンヌはそう言って宝石商に声をかけた。 「何でしょうか?」 「奴隷商人の競りはいつ始まるの?」 「最後にあるよ。」 「そう・・」 そう言ってアンヌは、エメラルドのネックレスを外し、宝石商に見せた。 「これは、美しい。傷もなく光沢もある。」 「いくらで売れるかしら?」 「ざっと見ましたら・・700万ルーブルですな。」 「そう。」 「失礼ですが、お名前をお聞かせ願いませんでしょうか?」 「私?私はアンヌ=カトリーヌ=オイゲーニュ=テレーズ=ドルヴィエよ。」 アンヌは金貨をつかむと、中央広場へと走っていった。 「あのネックレスは、結婚祝いに大奥様がくださったものじゃありませんか!」 「あの女がくれた物など、売ってやるわ。」 広場では、奴隷の競りが始まる頃だった。 奴隷はあの少年の他に、アジア系やアフリカ系など、人種はさまざまだ。 その中で、少年が一際目立っていた。 「さぁさぁみなさん、本日の目玉!はるか明国から来た生きた宝石!」 商人はあの少年を立たせ、観衆にアピールした。 すぐさま200、300と声があがる。アンヌはしばらく様子を見ることにした。 「620万ルーブル」 10本の指に指輪をはめた男が言った。 いかにも男色家のようだ。少年を好色そうな目つきで見ている。 「620?他には誰もいませんね、それでは・・」 アンヌは所運根の隣に立ち、商人の前に立ちはだかった。 「700万ルーブル。」 「奥様、ありがとうございやした。」 商人はそう言ってアンヌに金貨の袋と引き換えに、少年を渡した。 「お前、名前は?」 「カリン。」 アンヌはカリンの手をひいた。 「いらっしゃい。」 カリンはおずおずとアンヌの手を握った。 「話が違うじゃないか。」 620万ルーブルでカリンを手に入れようとした男が言った。 「文句があるなら、ドルヴィエ邸にいらっしゃい。」 そう言うとアンヌはカリンを連れて元来た道を歩いた。 奴隷商人とか、奴隷の競りとかはむっちゃ適当です・・すいません。 奴隷といえば浮かぶのは『アンクルトムの小屋』とか、『風と共に去りぬ』の時代でしょうか。 ヨーロッパはその時代以前に奴隷制度あったような・・。 アンヌ、姑からもらったエメラルドを売る。 嫁姑の関係は最悪ですね。 そのうちアンヌは姑の宝石を全部売り払って農園でも買いそうです。 Novel&Message by 千菊丸さん |