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カトリーヌは、赤ん坊の声を聞いて走った。
(どこなの、私の赤ちゃん!) 突然、カトリーヌ派くらい穴へと落ちていった。 目を覚ますと、スーザンの部屋に寝かされていた。額には汗がにじんでいた。 「気が付いた?」 「奥様、ここは?」 スーザンはカトリーヌに紅茶を差し出した。 「お飲みなさい。」 カトリーヌは紅茶を飲んだ。体がふっと軽くなったような気がした。 カトリーヌは、下腹部をさすった。 「私の赤ちゃんは?」 スーザンは、唇を震わせた。 「子どもは、またできるわ・・」 その言葉の意味を知ったとき、カトリーヌはスーザンの胸の中で泣き崩れた。 スーザンは何も言わずに、ただ彼女を抱き締めていた。 パリでは、ナタリーが出産するかどうか迷っていた。 ナタリーは子供を持たないことを決めていた。 自分を邪魔する者を情け容赦なく黒魔術で殺してきた。 こんな自分が、母になるなんて、ありえない。 血で汚れた自分の手に、赤ん坊なんて似合わないと思っているから。 自分1人で生きてゆくと決めたから。 妊娠がわかった時、ナタリーは動揺した。 (この子はいらない) ナタリーは中絶することを決意した。 そのことをオクタビアンに告げようと、レストローイネ邸を訪ねた。 「どうなさったの、ナタリー?こんな時間に。」 ドアを叩くと、オクタビアンの妹・マリーが出てきた。 「オクタビアンに会いたいんだけど・・」 「兄なら、今仕事なのよ。夕方過ぎには帰ってくるわ。」 「そう・・」 ナタリーが肩を落として元来た道を戻ろうとすると、マリーがナタリーの手をつかんだ。 「兄に話があるんでしょう?居間でお茶でもいただきませんこと?」 マリーはナタリーと居間で紅茶を飲んだ。 「兄から聞きましたわ。妊娠、おめでとう。」 「ありがとう、でもね・・」 ナタリーは中絶のことを告げようとした時ー 「ただいま!」 「お帰りなさい、お兄様。」 「オクタビアン、私・・」 「今日帰りに、かわいい産着を見つけたんだ。」 オクタビアンは、ナタリーに産着を渡した。 「オクタビアン・・」 ナタリーはオクタビアンの耳元でささやいた。 アンドリューの元に、叔母から手紙が届いた。 そこには、妊娠のこと、結婚のことが書いてあった。 スーザンから呼び出されたアンドリューは、バーテミア邸に出向いた。 「ルーシー様、ご用とは?」 「あなたに、カトリーヌのことでお話があります。」 Novel&Message by 千菊丸さん |