PURE

第三幕
『嵐』

第12話


作:千菊丸さん
「久しぶりね、カトリーヌ。」
厚化粧をし、アメジストのネックレスをつけたクレアは、どこか気味悪く見えた。
「お話って、なんですか?」
「あなた、アンドリューと会ってるんですってね?」
カトリーヌの顔がこわばった。
一体いつ、どこで知ったのだろうか?
「ルーシーがご親切に教えてくれたのよ。」
クレアはそう言ってリンゴを潰した。
「アンドリューは私の物よ。なんであんたがあの人とセックスしてるのよ!」
クレアはカトリーヌの頬を打った。
余りの痛さに、カトリーヌは悲鳴をあげた。
クレアは、カトリーヌの両肩を掴んで強く揺さぶった。
カトリーヌは気分が悪くなり、その場にうずくまった。
「あなた、もしかして・・」
クレアは、カトリーヌの妊娠を知った。
「クレア様、誤解です。私は、アンドリュー様のことなど、少しも想ってはおりません!」
言い訳するカトリーヌを見ながら、クレアは新婚初夜のことを思い出していた。

式が終わり、アンドリューとクレアは初夜を迎えた。
クレアは、寝室に入ってアンドリューを待っていた。
アンドリューは寝室に入ってきて、1度も彼女と目を合わさずにクレアを抱いた。
そして、彼女に言い放った。
「君は哀れな女だ。どれだけ金や物で邸をいっぱいにしても、君の心は豊かになれない・・嫌な女と結婚したもんだ。」
クレアは、屈辱に打ちのめされた。
だがいつかアンドリューは自分のことを愛してくれるだろう。クレアはそう思ってアンドリューの機嫌を必死に取った。
アンドリューはクレアを愛するどころか、ますますクレアから離れていった。
やがて、ルーシーが産まれた。アンドリューは娘の誕生の喜び、育児を積極的にした。
だが、クレアに対してはあいかわらず冷たかった。
カトリーヌといるアンドリューの態度が、自分に対するものとは全く違う。
彼女の中でふつふつと激しい怒りが湧いてきた。
「・・るのよ。」
クレアは醜く顔を歪ませ、カトリーヌの腹を蹴った。
カトリーヌは激痛にうずくまった。
クレアは構わず蹴り続けた。
「クレア様っ、おやめくださいっ!」
「私の何がわかるってのよ!この泥棒猫!」
カトリーヌは下腹部を押さえてうずくまった。
クレアは彼女を蹴り続け、カトリーヌの顔を打ち始めた。
「アンドリューは私のものなのよぉ!あんたなんかに絶対っ、渡さないんだからねぇ!」
カトリーヌは脚の間から、粘ついた血液が流れるのを見た。
「許さないわよ、アンドリューを奪ったら、承知しないからねっ!」
クレアの狂気に包まれた声を聞きながら、カトリーヌは意識を失った。










Novel&Message by 千菊丸さん


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