PURE

第三幕
『嵐』

第10話


作:千菊丸さん
クレアは今日もルーシーを虐待していた。
娘を傷つければ傷つけるほど、クレアの孤独が軽くなっていく。
クレアは娘を虐待することが日課となっていった。
アンドリューは妻が娘を虐待していることは知らない。彼にバレないように、アンドリューが娘を虐待していたからだ。
ナタリーは邸にある「呪いの間」で、黒魔術の儀式を行っていた。
甥とあの娘を幸せにするわけにはいかない。
なんとしてでもドルヴィエ家の血脈を繋がなければ。
曾祖母の時代から、ドルヴィエ家はローズワース家と深い繋がりを持ち、アジアまで貿易の幅を広げ、今日まで生きてきた。
だが、ドルヴィエ家には男子の後継者がいない。父・ニコルがドルヴィエ家を継いだものの、生まれたのはナタリーとジャクリーヌだけ。
ジャクリーヌはニコラス=ローズワースと結婚し、アンドリューを産んですぐに亡くなり、事実上ドルヴィエ家の後継者は、アンドリューだけとなる。
父が苦労して築き上げた家庭を滅ぼす訳にはいかない。
ナタリーは、サタンを呼ぶ儀式を始めた。
カトリーヌは、アンドリューの子を妊娠しているのではないかとという不安に駆られた。
一応、産婆の元に行ってきた。
「3ヶ月だよ。」
やはり、アンドリューの子を妊娠していた。
妻子あるアンドリューの子を愛しまった代償のように思えた。
子どもを産んで育てることなどできない。
カトリーヌが途方に暮れていると、誰かが彼女にぶつかった。
「あっ、ごめんなさい。」
「カトリーヌじゃねぇか。」
カトリーヌの血が一瞬にして凍り付いた。
彼女にぶつかった相手は、荒くれ者のジョーだった。
ジョーはカトリーヌをひっぱった。
「俺の相手しろよ。」
「離して、いやぁっ!」
ジョーはカトリーヌを殴った。
「やめろ!」
そこへ身なりのいい若者がやってきて、ジョーを殴った。
「畜生、おぼえていやがれ!」
「ありがとうございます。」
「礼などいらぬ。」
黒髪の若者は、そう言って馬で走り去っていった。
「ちっ、余計な邪魔が入ったわ。」
ナタリーはそう言って舌打ちした。










Novel&Message by 千菊丸さん


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