|
ナタリーはカトリーヌの後をこっそりとつけた。
カトリーヌは街外れの泉にやってきた。 木陰からアンドリューが現れた。 カトリーヌとアンドリューは互いに抱き合った。 アンドリューはカトリーヌを抱きかかえ、激しく腰を振り続けた。カトリーヌはそのつどのけぞって喘いだ。 ナタリーは口元に手をあてて、呆然とそこに立ちつくした。 クレアからの手紙は、本当だったのだ。 アンドリューが邸に戻ると、クレアと叔母が楽しげに話していた。 「叔母様、どうしてここに?」 「気が向いたので来たのよ。いけなかったかしら?」 アンドリューはナタリーが苦手だった。 ナタリーはアンドリューの母・ジャクリーヌの姉であり、父方のドルヴィエ家の3代目当主だ。 ナタリーは独立心が強く、30を過ぎても結婚していない。 ナタリーは甥であるアンドリューを何かと自分の監視下に置きたがる。 今日の訪問はクレアの差し金に違いない。クレアとナタリーは仲が良いのだ。 「アンドリュー、お前、パン屋の娘に惚れているんですってね?クレアから聞いたわ。」 クレアを見ると、底意地の悪い笑みを浮かべている。 「あなたはローズワース家の跡継ぎ、ひいてはドルヴィエ家の跡継ぎでもあるのよ。ひいおばあ様から紡いできた歴史を無駄にするつもり?」 「叔母様、それは・・」 「お黙りなさい。お前は貴族なのよ、アンドリュー。」 クレアは満足そうな顔をして、自室へと戻った。 「ナタリー、ありがとう。」 「いいのよ、クレア、これでアンドリューはパン屋の娘になど、目もくれなくなるでしょう。」 ナタリーはそう言って、クレアにアメジストのネックレスをその太い首にかけた。 「私は誰にも愛されないの。誰も私のこと褒めてくれないの。」 クレアはそう言って涙を流した。 醜い顔から涙が零れた。 「私、負けないわ。あんな小娘には負けないっ!」 「嫌っ、アンドリューがあの女と一緒になるなんてぇ!」 「クレア!」 ナタリーがクレアに叫ぶと、クレアは泣きじゃくった。 「クレア、何も心配いらないわ。私がなんとかするわ。」 「本当、ナタリー?」 「ええ。」 そう言ったナタリーの瞳は、妖しく光っていた。 「私は、あなたの味方よ。」 カトリーヌは今夜もアンドリューと愛し合った。 アンドリューに対しての想いが日に日に強くなってゆくのを、カトリーヌは感じていた。 Novel&Message by 千菊丸さん |