PURE

第三幕
『嵐』

第8話


作:千菊丸さん
ナタリーはカトリーヌの後をこっそりとつけた。
カトリーヌは街外れの泉にやってきた。
木陰からアンドリューが現れた。
カトリーヌとアンドリューは互いに抱き合った。
アンドリューはカトリーヌを抱きかかえ、激しく腰を振り続けた。カトリーヌはそのつどのけぞって喘いだ。
ナタリーは口元に手をあてて、呆然とそこに立ちつくした。
クレアからの手紙は、本当だったのだ。
アンドリューが邸に戻ると、クレアと叔母が楽しげに話していた。
「叔母様、どうしてここに?」
「気が向いたので来たのよ。いけなかったかしら?」
アンドリューはナタリーが苦手だった。
ナタリーはアンドリューの母・ジャクリーヌの姉であり、父方のドルヴィエ家の3代目当主だ。
ナタリーは独立心が強く、30を過ぎても結婚していない。
ナタリーは甥であるアンドリューを何かと自分の監視下に置きたがる。
今日の訪問はクレアの差し金に違いない。クレアとナタリーは仲が良いのだ。
「アンドリュー、お前、パン屋の娘に惚れているんですってね?クレアから聞いたわ。」
クレアを見ると、底意地の悪い笑みを浮かべている。
「あなたはローズワース家の跡継ぎ、ひいてはドルヴィエ家の跡継ぎでもあるのよ。ひいおばあ様から紡いできた歴史を無駄にするつもり?」
「叔母様、それは・・」
「お黙りなさい。お前は貴族なのよ、アンドリュー。」
クレアは満足そうな顔をして、自室へと戻った。
「ナタリー、ありがとう。」
「いいのよ、クレア、これでアンドリューはパン屋の娘になど、目もくれなくなるでしょう。」
ナタリーはそう言って、クレアにアメジストのネックレスをその太い首にかけた。
「私は誰にも愛されないの。誰も私のこと褒めてくれないの。」
クレアはそう言って涙を流した。
醜い顔から涙が零れた。
「私、負けないわ。あんな小娘には負けないっ!」
「嫌っ、アンドリューがあの女と一緒になるなんてぇ!」
「クレア!」
ナタリーがクレアに叫ぶと、クレアは泣きじゃくった。
「クレア、何も心配いらないわ。私がなんとかするわ。」
「本当、ナタリー?」
「ええ。」
そう言ったナタリーの瞳は、妖しく光っていた。
「私は、あなたの味方よ。」
カトリーヌは今夜もアンドリューと愛し合った。
アンドリューに対しての想いが日に日に強くなってゆくのを、カトリーヌは感じていた。










Novel&Message by 千菊丸さん


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