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モンテリオ=サルディッナーレの葬儀が行われた。ソフィアはモンテリオの死を病死としたが、ガブリエルがモンテリオ殺しの容疑者であることに、少しの疑いも持たなかった。
(必ずガブリエルを殺してやるわ。) 葬儀の席で、取り巻きのアントワーヌから、奇妙な話を聞いた。 それはガブリエルが得体の知れない化け物に変わったというものだった。 「紅い稲光りが光って、次の瞬間に、紅い雷が王宮に・・」 「それ、本当なの?」 「ええ、目の前で見たんですもの!」 「そう・・」 あの子は忌み子だわ、始末しなくては。 ソフィアはそっとアントワーヌの耳元でささやいた。 「あのね、モンテリオは病死ではないの。ガブリエルが殺したのよ。」 「なんですって?」 アントワーヌは信じられないといった顔つきで叫んだ。 「しっ、声が大きいわ。」 「ガブリエルは魔女だわ。あのアンヌにそっくり。」 アントワーヌはそう呟くとソフィアに、気を落とさないでね、と言って去っていった。 ソフィアに新たな考えが浮かんだ。 ガブリエルを魔女として告発する。 アンヌと使用人との間に生まれた私生児。 得体の知れない化け物に変身する。 そして何よりもあの禍々しい瞳。 材料は揃った。 モンテリオの葬儀と時を同じくして、リリアン=ベッツラの葬儀も行われた。 リリアンの父親・アンドローネは、娘の変わり果てた姿を見て泣き叫んだ。そして、ドルヴィエ家のニコルが娘を手にかけたことを知った。 だがニコルは姉を刺そうとしたリリアンを止めようとして殺してしまったと正当防衛を主張し、その訴えが認められて、罪には問われなかった。 (おのれ、ニコル=ドルヴィエ、いつか必ずお前の罪をお前の命で贖(あなが)ってやる。) アンドローネは、ニコルの命は必ず自分が奪ってみせると、天国の娘に誓った。 葬儀が終わり、ガブリエルはアンヌの部屋に行った。 「お母様、お父様には会えました?ずっと、2人で仲良くしてくださいね。」 母の肖像画に向かって、ガブリエルは静かに語りかける。 「私、もう行くわね。」 ガブリエルが部屋を出た後、アンヌの肖像画微笑んだような気がした。 翌朝、母の知人から手紙が届いた。 『あなたのお母様が、生まれてからすぐのあなたへと宛てたものです。あなたにお返しします。』 封筒の裏側には、「ローズワース公爵夫人」と署名され、その下にメッセージが書いてあった。 (お母様が私にあてて書いた手紙。) ガブリエルはおそるおそる、手紙の封を切り、読み始めた。 大学が始まり忙しい日々、なかなかそちらへ続きを送ることができずに申し訳ありませんでした。 母・アンヌの手紙を読むガブリエル。 そこには息子への愛情溢れる文章が・・。 Novel&Message by 千菊丸さん |