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「お父様、しっかりなさって!」 ガブリエルはカリンを揺さぶった。 「ガブリエル、ガブリエル・・」 カリンは息絶え絶えになりながらも、ガブリエルの髪を撫でた。 「何を泣くの?僕はお母様と一緒になれるんだよ。」 「でも、こんなのひどいわ・・やっと会えたのに・・」 カリンは微笑んだ。 「いいんだよ、僕は幸せだった。もう、行くよ・・。」 そう言うと、カリンは、静かに目を閉じた。 アンヌが向こうで微笑んでいる。 カリンはその手をつかんだ。 アンヌとカリンは、静かに去っていった。 「父上・・母上と今度こそ、お幸せに・・」 ニコルはそう言って、父に静かに祈りを捧げた。 その時、マリーが駆け込んできた。 「マリー、どうしたの、こんなところに?」 「ガブリエル様、ニコル様、ルシフェル様、大変ですっ!旦那様がっ、旦那様がっ・・」 「モンテリオがどうかした?」 ニコルはそう言ってマリーに水を差しだした。 「旦那様が、お亡くなりになりました。」 ルイは驚いた顔で立っていた。 「モンテリオ様がっ!?」 「なんとっ・・」 モンテリオの突然の死に、広間にまた衝撃が走った。 「すぐ邸にお戻りを!」 邸に戻ると、葬儀の準備が行われていた。 ソフィアは喪服をまとい、夫の遺体に取りすがって泣いている。 「おお、モンテリオ・・」 ガブリエルが入ってくると、ソフィアがガブリエルを叩き始めた。 「この忌み子!モンテリオを返して!」 ガブリエルはソフィアにされるがままになっていた。 「ソフィア様、おやめください!」 ルイーゼ達が慌ててソフィアからガブリエルを引き離した。 「父上・・」 ルシフェルは父の遺体を見つめた。 「愚かなんだ、あなたは・・」 ガブリエルとニコルは葬儀屋に頼んで、父の葬儀をした。 「お父様、これお返ししますわ。」 ガブリエルは左耳からルビーの耳飾りを外し、カリンの左耳を付けた。 棺が閉じられ、カリンはアンヌと共に葬られた。 「これで、お父様とお母様は一緒になられたのね。」 「ああ、これで2人は離れないだろう。」 ニコルとガブリエルは、両親の墓に花を供えて、邸の中へと入った。 「ガブリエルちゃん、大変だったわね。」 コリーヌはそう言って水を差しだした。 「うん。でも大丈夫。」 カリンとアンヌは今度こそ誰にも邪魔されずに、幸せになっているところだろう。 Novel&Message by 千菊丸さん |