PURE

第二幕
『波乱』

第16話


作:千菊丸さん
「お父様、しっかりなさって!」
ガブリエルはカリンを揺さぶった。
「ガブリエル、ガブリエル・・」
カリンは息絶え絶えになりながらも、ガブリエルの髪を撫でた。
「何を泣くの?僕はお母様と一緒になれるんだよ。」
「でも、こんなのひどいわ・・やっと会えたのに・・」
カリンは微笑んだ。
「いいんだよ、僕は幸せだった。もう、行くよ・・。」
そう言うと、カリンは、静かに目を閉じた。
アンヌが向こうで微笑んでいる。
カリンはその手をつかんだ。
アンヌとカリンは、静かに去っていった。
「父上・・母上と今度こそ、お幸せに・・」
ニコルはそう言って、父に静かに祈りを捧げた。
その時、マリーが駆け込んできた。
「マリー、どうしたの、こんなところに?」
「ガブリエル様、ニコル様、ルシフェル様、大変ですっ!旦那様がっ、旦那様がっ・・」
「モンテリオがどうかした?」
ニコルはそう言ってマリーに水を差しだした。
「旦那様が、お亡くなりになりました。」
ルイは驚いた顔で立っていた。
「モンテリオ様がっ!?」
「なんとっ・・」
モンテリオの突然の死に、広間にまた衝撃が走った。
「すぐ邸にお戻りを!」
邸に戻ると、葬儀の準備が行われていた。
ソフィアは喪服をまとい、夫の遺体に取りすがって泣いている。
「おお、モンテリオ・・」
ガブリエルが入ってくると、ソフィアがガブリエルを叩き始めた。
「この忌み子!モンテリオを返して!」
ガブリエルはソフィアにされるがままになっていた。
「ソフィア様、おやめください!」
ルイーゼ達が慌ててソフィアからガブリエルを引き離した。
「父上・・」
ルシフェルは父の遺体を見つめた。
「愚かなんだ、あなたは・・」
ガブリエルとニコルは葬儀屋に頼んで、父の葬儀をした。
「お父様、これお返ししますわ。」
ガブリエルは左耳からルビーの耳飾りを外し、カリンの左耳を付けた。
棺が閉じられ、カリンはアンヌと共に葬られた。
「これで、お父様とお母様は一緒になられたのね。」
「ああ、これで2人は離れないだろう。」
ニコルとガブリエルは、両親の墓に花を供えて、邸の中へと入った。
「ガブリエルちゃん、大変だったわね。」
コリーヌはそう言って水を差しだした。
「うん。でも大丈夫。」
カリンとアンヌは今度こそ誰にも邪魔されずに、幸せになっているところだろう。










Novel&Message by 千菊丸さん


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