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ガブリエルは節ふぇるの死を受け入れられず、涙を流していた。 血の涙を。 赤い稲光が、王宮に直撃した。 「きゃぁぁぁっ!」 「何だ、地震か!?」 あまりの衝撃に、皆立っていられなくなった。 「兄上・・」 ニコルは呆然と兄の姿を見つめていた。 ガブリエルの眼は禍々しく紅く光り、爪は鋭く光っていた。 「ガブリエル・・」 カリンは息子の姿を見て口を押さえた。 自分と似ていた。 アンヌの死の真相を知り、暴走した時の自分に。 ガブリエルの前に、ルシフェルに似た男が現れた。 『火月・・』 「あなたは誰?私はガブリエルよ。」 男は変な服を着ていた。 『火月、私と共に行こう。』 ガブリエルに微笑んで男は手を差し出した。 「ルシファーはどこ?どこにいるの?」 ガブリエルは半狂乱になってルシフェルを探した。 『きっとお前を必ず、助けてやるから。 それまで待ってろ、火月。』 そう言うと男は消えた。 「ガブリエル。」 「ルシファー?」 ルシフェルが目を覚まし、ガブリエルの手を握った。 「生きてたのね、よかったぁ!」 「君の声がしたから、戻ってきたんだ。」 「ガブリエル・・」 カリンはゆっくりとガブリエルに近づく。 「お父様・・お父様なの!?」 10年間生き別れていた父と、ガブリエルは再会した。 「ガブリエル!」 父と子はひしと抱き締めた。 「会いたかった・・」 「僕もだよ、ガブリエル・・」 そのとき、リリアンが立ち上がった。 彼女はまだ生きていた。 左胸は血に染まっており、青い瞳はぎらついていた。 「ルシファーは私のものよぉ!」 そう叫びながらガブリエルにつかみかかろうとするリリアン。 ニコルがリリアンの背中をななめに斬った。 赤い髪がおどろに乱れ、リリアンはけいれんしながら息絶えた。 「ガブリエル、勝手に出ていってごめん。」 「いいのよ、お父様。」 「ガブリエル・・」 カリンはガブリエルの髪を撫でようと、手を伸ばした。 その時、アレストロピウスが剣を振りかざした。 「いままで私をだましてたんだなっ、この化け物がっ!」 カリンは力なくガブリエルの腕の中で崩れ落ちた。 「お父様っ!」 Novel&Message by 千菊丸さん |