PURE

第二幕
『波乱』

第15話


作:千菊丸さん
ガブリエルは節ふぇるの死を受け入れられず、涙を流していた。

血の涙を。

赤い稲光が、王宮に直撃した。

「きゃぁぁぁっ!」
「何だ、地震か!?」
あまりの衝撃に、皆立っていられなくなった。
「兄上・・」
ニコルは呆然と兄の姿を見つめていた。
ガブリエルの眼は禍々しく紅く光り、爪は鋭く光っていた。
「ガブリエル・・」
カリンは息子の姿を見て口を押さえた。

自分と似ていた。
アンヌの死の真相を知り、暴走した時の自分に。

ガブリエルの前に、ルシフェルに似た男が現れた。
『火月・・』
「あなたは誰?私はガブリエルよ。」
男は変な服を着ていた。
『火月、私と共に行こう。』
ガブリエルに微笑んで男は手を差し出した。
「ルシファーはどこ?どこにいるの?」
ガブリエルは半狂乱になってルシフェルを探した。
『きっとお前を必ず、助けてやるから。 それまで待ってろ、火月。』
そう言うと男は消えた。
「ガブリエル。」
「ルシファー?」
ルシフェルが目を覚まし、ガブリエルの手を握った。
「生きてたのね、よかったぁ!」
「君の声がしたから、戻ってきたんだ。」
「ガブリエル・・」
カリンはゆっくりとガブリエルに近づく。
「お父様・・お父様なの!?」
10年間生き別れていた父と、ガブリエルは再会した。
「ガブリエル!」
父と子はひしと抱き締めた。
「会いたかった・・」
「僕もだよ、ガブリエル・・」
そのとき、リリアンが立ち上がった。
彼女はまだ生きていた。
左胸は血に染まっており、青い瞳はぎらついていた。
「ルシファーは私のものよぉ!」
そう叫びながらガブリエルにつかみかかろうとするリリアン。
ニコルがリリアンの背中をななめに斬った。
赤い髪がおどろに乱れ、リリアンはけいれんしながら息絶えた。
「ガブリエル、勝手に出ていってごめん。」
「いいのよ、お父様。」
「ガブリエル・・」
カリンはガブリエルの髪を撫でようと、手を伸ばした。
その時、アレストロピウスが剣を振りかざした。
「いままで私をだましてたんだなっ、この化け物がっ!」
カリンは力なくガブリエルの腕の中で崩れ落ちた。
「お父様っ!」










Novel&Message by 千菊丸さん


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