PURE

第二幕
『波乱』

第12話


作:千菊丸さん
ガブリエルは母の部屋へと向かった。
ルビーのロザリオをいじる。
部屋に入ると、ガブリエルは絶句した。
母の肖像画が、何者かによって無座にも切り裂かれていた。
「ひどいわ、誰がこんなこと・・」
ガブリエルは肖像画を撫でながら言った。
『モンテリオよ、気にしないで。』
アンヌはそう言って息子の頭を撫でた。
「お母様・」
『舞踏会へ行きなさい。そこであなたはきっとお父様に会えるはず。』
アンヌは風とともに姿を消した。
「お母様っ?!」

その頃、モンテリオはワインを飲みながら、ガブリエルを始末する策を練った。
(まずはニコルに姉の『秘密』を話そう。)
『そうはさせなくてよ、モンテリオ。』
「アンヌ、お前は死んだはずっ?!」
『息子のことが心配でね。』
アンヌはそう言うと、モンテリオの顔を扇子で叩いた。
『あなたは私が死んでいい気になっているようだけど、あなたの企みは全て知っていたわ。』
アンヌはモンテリオを後ろから抱き締めながら言った。
「アンヌ、私はお前を愛していた。だがお前は私を拒んだ。だから殺した。」
アンヌはモンテリオの耳たぶをかんだ。
「私はお前が一生私に振り向いてくれなくても、お前を愛していたかった。それなのに、それなのに何故っ!」
『決まっているでしょう。』
アンヌはモンテリオの首を絞め始めた。
『あなたのことを、愛していなかったからよ。』
「私は本気だった。本気でお前を・・」

フランスへと向かう馬車の中で、目を覚ました。
「どうした?いつもの君らしくないぞ、ジャスミン。」
「・・ごめんなさい、つい考え事をしてしまって。」
「まぁいい。パリに着けば君の姿に皆釘付けだ。」
そう言ってギリシャの商人・アレストロピウスはカリンの肩を抱いた。
(カリン、あいつは殺したわ。)
窓の外に、一瞬アンヌの姿が見えた。
「アンヌ様っ!」
だがそこには誰もいなかった。
「どうした、ジャスミン。」
「いいえ、何でもありませんわ。」
カリンはそう言って馬車の中へと戻った。
(アンヌ様、僕を見守っていらっしゃるんですか?)

ガブリエルは身支度を終え、王宮へと向かった。
(必ずお父様と会える。)
父が残してくれたルビーの耳飾りを触りながら、ガブリエルは前だけを見つめた。


−運命の夜が、始まる。−










アンヌ、モンテリオを殺してしまいました。
もとから夫のことを嫌っていたんですね。
なんだか不幸な結婚生活を送っていたんですね。

Novel&Message by 千菊丸さん


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