PURE

第二幕
『波乱』

第3話


作:千菊丸さん
アンヌの詩を持ったモンテリオに、カリンはただならぬ気配を感じた。
「カリン、お前ガブリエルのことで、アンヌから聞いてないか?」
「いいえ、なにも・・」
アンヌの詩を、カリンは見た。
その詩には、カリンへのメッセージが込められていた。
「お前は、ガブリエルの秘密を知っているのではないか?たとえば、ガブリエルは男児とか・・」
カリンの心臓が高鳴った。
「いいえ、何も知りません。」
「そうか・・」
モンテリオはそう言って、カリンにアンヌの詩を渡した。
「カリン、お前次第でガブリエルの将来が決まるのだ。」
モンテリオは火箸を持ち、暖炉から真っ赤な炭を取り出し、カリンの額に押しつけた。
衣を裂くような叫び声が、部屋に響いた。
額は無残にただれ、入れ墨は原形をとどめていなかった。
「私はいつもあの女を憎んだ。
 私より聡明で、私より美しく、私より高貴な女・・そして私が望むものを手に入れた女・・」
モンテリオはカリンの顎を持ち上げた。
「カリン、私はアンヌを愛していた。ウサギ狩りで会った時に一目惚れして、母に無理を言ってアンヌと結婚した・・いつかはアンヌと私の子を育てたいと思っていた。
だが、アンヌは私に抱かれるのを嫌がった・・私はアンヌを愛しているのに、彼女は私に振り向きもしない。そして、お前が現れた。アンヌは私に抱かれるを嫌がっていたのに、お前には心を開いた。子どもまで・・」
モンテリオはカリンの首を絞めた。カリンは喘いだ。
「私はアンヌが大切にしているものを奪おうと、彼女を殺した。
 あの女が死ぬ前日、私は部屋を訪れた。
 私に命乞いでもするのかと。だが彼女は笑って、こういった。
『愚かな男ね、モンテリオ。』
あの女が死んで、私は望むものを手に入れる!」
カリンはモンテリオの手を思いっきりひっかいた。
「カリン、私はお前達を生かしてはおけぬ。」
モンテリオはそう言うと、カリンの喉元に短剣をあてた。
「あなたが、アンヌ様を・・」
カリンの中に、モンテリオへの激しい憎しみがわき上がった。
と同時に、額がうずいた。
自分でも抑えられない激しい怒り。
「な、なんだ?」
カリンの体が突如、紅い光に包まれる。
その時、カリンは誰かが自分をよんでいるのが聞こえた。

ドルヴィエ邸上空に、紅い稲光が光った。
カリンは、自分ではない『誰か』を見ていた。

「なんなの、これ・・」
ソフィアはカリンの姿を見て、呆然とした。









前世の封印が、そのまま現世に引き継がれてしまいました。
ガブリエルも、その封印に縛られる?!

Novel&Message by 千菊丸さん


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