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アンヌの詩を持ったモンテリオに、カリンはただならぬ気配を感じた。 「カリン、お前ガブリエルのことで、アンヌから聞いてないか?」 「いいえ、なにも・・」 アンヌの詩を、カリンは見た。 その詩には、カリンへのメッセージが込められていた。 「お前は、ガブリエルの秘密を知っているのではないか?たとえば、ガブリエルは男児とか・・」 カリンの心臓が高鳴った。 「いいえ、何も知りません。」 「そうか・・」 モンテリオはそう言って、カリンにアンヌの詩を渡した。 「カリン、お前次第でガブリエルの将来が決まるのだ。」 モンテリオは火箸を持ち、暖炉から真っ赤な炭を取り出し、カリンの額に押しつけた。 衣を裂くような叫び声が、部屋に響いた。 額は無残にただれ、入れ墨は原形をとどめていなかった。 「私はいつもあの女を憎んだ。 私より聡明で、私より美しく、私より高貴な女・・そして私が望むものを手に入れた女・・」 モンテリオはカリンの顎を持ち上げた。 「カリン、私はアンヌを愛していた。ウサギ狩りで会った時に一目惚れして、母に無理を言ってアンヌと結婚した・・いつかはアンヌと私の子を育てたいと思っていた。 だが、アンヌは私に抱かれるのを嫌がった・・私はアンヌを愛しているのに、彼女は私に振り向きもしない。そして、お前が現れた。アンヌは私に抱かれるを嫌がっていたのに、お前には心を開いた。子どもまで・・」 モンテリオはカリンの首を絞めた。カリンは喘いだ。 「私はアンヌが大切にしているものを奪おうと、彼女を殺した。 あの女が死ぬ前日、私は部屋を訪れた。 私に命乞いでもするのかと。だが彼女は笑って、こういった。 『愚かな男ね、モンテリオ。』 あの女が死んで、私は望むものを手に入れる!」 カリンはモンテリオの手を思いっきりひっかいた。 「カリン、私はお前達を生かしてはおけぬ。」 モンテリオはそう言うと、カリンの喉元に短剣をあてた。 「あなたが、アンヌ様を・・」 カリンの中に、モンテリオへの激しい憎しみがわき上がった。 と同時に、額がうずいた。 自分でも抑えられない激しい怒り。 「な、なんだ?」 カリンの体が突如、紅い光に包まれる。 その時、カリンは誰かが自分をよんでいるのが聞こえた。 ドルヴィエ邸上空に、紅い稲光が光った。 カリンは、自分ではない『誰か』を見ていた。 「なんなの、これ・・」 ソフィアはカリンの姿を見て、呆然とした。 前世の封印が、そのまま現世に引き継がれてしまいました。 ガブリエルも、その封印に縛られる?! Novel&Message by 千菊丸さん |