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あのウサギ狩りの後、アンヌとカリンの関係は変化していった。前は主人と使用人という味気ない関係であったが、今は1人の男と女の関係となりつつあろうとしていた。 アンヌは、カリンの純粋な性格によって自分の心を覆っている厚い氷が、溶けだしているように感じた。 カリンと接していると、黒い感情がなくなる。 それは、アンヌが生まれて初めて持った、不思議な感情だった。 カリンもまた、権力を得ながらも常に孤独なアンヌが愛おしく、守ってやりたくなると言う気持ちを抱きはじめていた。 そのことを、互いに知らず知らずのうちに持っていた。 そんな2人の様子を見ていたのは、ルイーゼだった。 ルイーゼは、密かにカリンのことを想っていた。 何かとアンヌから自分をかばってくれるカリンに対して、ルイーゼは恋心を抱いていた。 だが、カリンがアンヌのことを想っていることに気づいたルイーゼは、アンヌに対する嫉妬が次第に激しくなっていく。 クリスマス・イヴの日、アンヌはスペインの貴族達を邸に招いて宴を開いた。そこでアンヌはフランチェスカの悪口を歌い、場を湧かせた。 宴の間中、アンヌとカリンは片時も離れなかった。まるで恋人同士のように互いに微笑み合っていた。 ルイーゼはそんな2人を複雑な思いで見ていた。 宴が終わり、アンヌとカリンがアンヌの部屋に消えてゆくのをルイーゼは見た。彼女は音を立てずにあるところへ向かった。 ノックの音がしてモンテリオは目を覚ました。 「入れ。」 「失礼します。」 入ってきたのは、妻の侍女だった。どうしてこんなところに? 「何か用か?ローマから戻ってきたばかりで疲れているのだ。手短に用件を言え。」 「旦那様、奥様とカリンは密会しております。」 そう言ったルイーゼの瞳には、アンヌに対する激しい嫉妬が宿っていた。 「先ほど、カリンがアンヌ様のお部屋に入るのを見ました。」 「それはまことか?」 モンテリオは目を輝かせて言った。 「はい、間違いありません。」 「そうか、さがってよい。」 モンテリオは妻の秘密を知り、ほくそ笑んだ。と、同時に、彼女に対する激しい怒りが湧いた。 自分を拒んでおきながら、こともあろうにあのチビとデキていたとは! モンテリオは屈辱に打ちのめされた。そして、妻への復讐に燃えた。 あの女が1番大切にしているものを、根こそぎ奪ってやろう。 ドルヴィエ家の財産は、私のものだ。 暖炉の炎に照らされたモンテリオの顔は、悪鬼の形相であった。 モンテリオがアンヌを亡き者にしようと企んでいることも露知らず、アンヌとカリンは互いに愛し合っていた。 アンヌとカリンの間には、固い絆が生まれつつあった。 アンヌとカリンちゃんが、急接近してます。そして、ルイーゼの嫉妬が恐いです・・。 モンテリオ、狂いはじめる。 カリンとデキていることを知り、男のプライドを傷つけられたのね。 Novel&Message by 千菊丸さん |