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「話ってなに? 私は別れるつもりはありませんからね!」
百合はそう言って離婚届を破った。 「私は別れたいんだ。お前とはもう暮らせない。」 「何よ、それ! あなたの実家を救ったのは誰だと思ってるのよ!」 百合はそう言ってコップをテーブルに叩きつけた。 有匡は深いため息をついた。 「お前との結婚は間違いだった。あのとき私は縁談を断っていればよかった。」 「あなたの気持ちは変わらないのね。」 「ああ。」 「そう・・わかったわ。」 百合はそう言って部屋を出ていった。 その日の夜、有匡は「一力」へと向かった。 「こんばんわぁ。」 襖の向こうには火月ではなく、美咲がいた。 「火月はどうした?」 「あの子なら、謹慎中どす。いやぁ、人の旦那盗るやなんて、大した子やわぁ。」 美咲はそう言って笑った。 「こんばんわぁ。」 襖が開き、綾乃が入ってきた。 火月は謹慎中で、お座敷にでれない代わりに、美咲ちゃんが有匡さんのお座敷に。 わざと火月ちゃんの悪口を言って、自分に気持ちを向けさせようとする美咲ちゃん。 Novel&Message by 千菊丸さん |