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綾乃が、火月をひっぱたいたことは、あっという間に祇園中に広まった。
そして、火月が妻子ある有匡と付き合っていることも。 「火月ちゃん、組合長はんが明日来てくれやて。」 文枝はそう言ってためいきをついた。 「こんなに騒ぎが大きゅうなって・・あんたこれから舞妓としてやってかれへんと思うわ。」 「どういうことどす?」 「スキャンダルはご法度や。あんたはうちのみならず、祇園町に迷惑をかけたんや。あんたが有匡はんと別れるか、それとも舞妓をやめるか・・あんたはどっちか選ばなあかん。」 文枝は厳しい顔で言った。 その時、玄関にある電話が鳴り、文枝は困ったような顔をした。 「これから『一力』でお座敷え。」 「お座敷どすか? こないな時間に?」 「そうや。」 火月は嫌な予感がして、『一力』へと向かった。 「こんにちわぁ。」 ふすまを開けると、そこには険しい顔をした百合がいた。 「うちの主人がいつもお世話になってます。有匡の妻の百合です。」 百合と火月ちゃんの直接対決。 妻vs愛人です。 火月ちゃんは有匡さんに奥さんがいることは、有匡さんと知り合って、第4話まで(有匡さんの携帯に出るまで)知りませんでした。 次回、百合が火月ちゃんに衝撃的な言葉を。 Novel&Message by 千菊丸さん |