PURE

第六幕
『障害』

第15話


作:千菊丸さん
「あなた、どこ行くの!?」
百合はそう言って夫に取りすがった。
「お前には関係ないだろう。」
有匡は冷たく百合に言い放ち、マンションを出た。
タクシーを拾い、東京駅で最終の新幹線に乗った。
京都には、自分のマンションがある。
京都支社があるので、そこで働けばいい。
有匡はノートパソコンを開き、火月にメールを送った。
『今家を出た。 これからは毎日会えるな。』

翌朝、有匡のメールを見た火月は、すぐに返事を出すことが出来なかった。
(有匡はんが・・家を・・)
一体どういうことなのだろう?
「火月ちゃん、ちょっとええか?」
声がして振り向くと、そこには美咲と『綾乃家』の芸妓・綾乃が立っていた。
「あんた、土御門の若様と親しいんやて?」
綾乃はそう言って、火月を睨んだ。
「ちょっと2人で話がしたいねん。美咲ちゃん、席外してくれるか?」
「へえ。」
襖が閉まると同時に、綾乃は火月の頬を打った。









新キャラ、また登場です。
火月ちゃんや美咲ちゃんが籍を置いている置屋『宵乃家』のライバルである置屋『綾乃家』の人気芸妓・綾乃さんです。
年は27歳。
三味線と舞の名手であり、竹を割ったような性格です。
曲がったことが大嫌いです。
祇園町では、『お局様』的存在で、美咲ちゃんをはじめとする新人舞妓に対しては厳しいです。
次回、綾乃さんの怒りの原因がわかります。

Novel&Message by 千菊丸さん


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