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「はぁ、疲れたわぁ〜」
テレビの取材班が帰ると、火月はそう言ってため息をついた。 「ちょっと、休もか。あんた朝から忙しかったからな。」 そう言って文枝は火月の肩をポンと叩く。 「あんた店出し初日からすごい人気え。このままいくと、祇園一の売れっ子になるのも夢やないなぁ。」 「そんな、おかあさん。うちはまだこれからどす。こんなことで浮かれてては、舞妓失格どす。」 「あんたは美咲ちゃんと違って、しっかりしてるわぁ。期待してるえ。」 文枝の言葉を、美咲は火月を恨めしそうに見ながら聞いていた。 その頃東京では、有匡がダイヤの髪飾りを簪に加工してもらっていた。 「これでよし、と」 できあがったダイヤの簪を真紅の箱に入れてもらい、宝石店を出た有匡は、近くのカフェに落ち着いた。 コーヒーを飲んでいると、窓際のテーブル客がうるさかった。見ると、暇をもてあました主婦たちのようだ。 その中に、百合がいた。 有匡はさっさと店を出た。 「どうしたの?」 「さっきうちの人見たような気がしたんだけど、気のせいね。」 百合はそう言ってコーヒーを飲んだ。 文枝さん(火月ちゃんがお世話になっている置屋の女将さん)は、火月ちゃんのことがかわいいんですね。 まぁ、彼女は火月ちゃんを実の娘のように思っていますので。 美咲ちゃんに対しては冷たいような・・美咲ちゃんもそれを感じているので、火月ちゃんに嫉妬しています。 有匡さん、百合と会いそうになり、逃げ出す。 百合のこと嫌いなので、あんまり顔を合わせたくないんです。 次回は、久しぶりに祇園で会った有匡さんと火月ちゃん。 しかし、そこへ招かざる客が。 Novel&Message by 千菊丸さん |