PURE

第一幕
『再会』

第13話


作:千菊丸さん
「あんな女と結婚したいってモンテリオに言われたとき、気絶しそうになったわ。あんな無愛想で、高飛車な女は見たことないわ。」
フランチェスカはアンヌの陰口を叩きながら、パイを平らげた。
「まぁ、聡明であることは間違いないわ。ラテン語で詩を作り、リュートを弾き、馬を巧みに操り、宮廷では一目置かれている存在・・非の打ちどころがな美女・・でもアンヌには心がないわ。女としての心が。」
そう言うとフランチェスカはカリンを見た。
「お前は?」
「私はアンヌ様付きの小姓で、カリンと申します。」
「小姓ですって?あの女は何を企んでいるのかしら。」
カリンはこれ以上アンヌの悪口を聞きたくなかったので、部屋を出た。
「カリンちゃん、奥様フテ寝しちゃったわ。」
ルイーゼはそう言ってこめかみを押さえた。
「大奥様がいらっしゃるといつもこうなんだもの。」
「大奥様とアンヌ様って、仲が悪いんですか?」
「悪いなんてもんじゃないわよ。2人は水と油よ。大奥様が来るたびに、奥様はふさぎ込むの。」
ルイーゼはそう言うと、キッチンへと向かった。
そのあと、アンヌ付きの侍女・コリーヌとタルミーナが廊下を歩いてきた。
「全くなんなのあのババァ。いきなり来るなっつうの。」
「自己中にも程があるのよ。手紙でもよこせっつうの。」
コリーヌはそういってカリンを見た。
「あら、誰かと思えばカリンちゃんじゃない?」
「コリーヌさん。」
「あのババァの相手は疲れたでしょ?」
「ええ・・」
「アンヌ様は辛いのよぉ。ババァがネチネチ言うからさ。あのヘビ男のガキなんて作りたくないのに。」
「それなのにババァが強要してるから、アンヌ様はイライラしてんのよ。」
タルミーナがそう言って鼻を鳴らした。
「でもカリンちゃんがいるから大丈夫よ。」
「そぉねぇ、カリンちゃんは癒し系ボーイだもの。」
「アンヌ様も気に入っているようだし。」
「そんな・・アンヌ様いつも僕をからかうんだもん。」
「それはカリンちゃんがカワイイからよぉ。アンヌ様は嫌いな人には完全ノータッチだもの。」
「カリンちゃんのこと、すごく気に入ってんのよ。ルイーゼはシカトされまくりよ。」
タルミーナがそう言ってカリンにグラスを差し出した。
「あの、これは?」
「これ?ワインよ。ババァが来るときはいつもこれを飲んでフテ寝するのよ。」
「ラテン語でババァの悪口を書きまくってね。」
コリーヌは笑いながら言った。
「カリンちゃん、悪いけどこれ届けてくれない?」
「え゛っ、何で僕が・・」
「だってあんた、癒し系ボーイじゃん。」
「あたし達、仕事が山ほどあんのよ。」
「えっ、ちょっと・・」
「頼むわよ!」
コリーヌとタルミーナがいなくなり、カリンはグラスを手に、呆然としていた。









式神シスターズの生まれ変わり登場。
コリーヌ=小里、タルミーナ=種香
アンヌの良き理解者です。
ラテン語で姑の悪口を書きまくる嫁。
語学に長けているからできることですよね。
恐ろしい嫁だ・・。

Novel&Message by 千菊丸さん


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