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「なんやの、話って?」
「あんた、有匡様と親しいそうやな。」 美咲はそう言って火月を睨んだ。 「この際言うとくけど、うちは有匡様のことが好きや。舞妓になったんは、有匡様に一歩でも近づきたいからや。うち、あんたにだけは負けたくないねん。」 美咲はそう言って、自分の部屋へと向かってしまった。 「美咲ちゃん・・」 火月は部屋に入ってため息をつき、ノートパソコンを開いた。 メールが1件、入っていた。 有匡からだった。 『今日はお疲れ様。あなたに似合うと思って、可愛い髪飾りを買いました。かんざしにも使えると思います。』 メールには、ダイヤの星形の髪飾りの写真が添付されてあった。 『おおきに。とても嬉しおす。これを付けるのを、楽しみにしてます。』 火月は有匡のメールにすぐさま返信し、店出しのことをデジカメで撮った写真を入れながら、ブログに書いた。 『今日は店出し初日で、とても疲れました。これから一流の舞妓目指して頑張ります。』 美咲ちゃんは、野心家です。 有匡さんに近づきたいがために、舞妓になったんです。 有匡さんに可愛がられている火月ちゃんに対して、敵意むき出しです。 仕込みのときから可愛がられている火月ちゃんは、美咲ちゃんの気持ちを知っているんですが、彼女も有匡さんが好きなので、美咲ちゃんには渡したくないんです、有匡さんを。 有匡さんと火月ちゃんはメル友です。 離れていても、毎日のメールのやり取りで心の距離が縮まっています。 2人のノートパソコンにはパスワードが設定されていて、他人が気安く見ることは出来ません。 有匡は火月ちゃんとメールのやり取りをしていることは、当然百合には秘密にしています。 Novel&Message by 千菊丸さん |