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火月が次に向かったのは、「M亭」でのお座敷で、お客様は最近マスコミから注目されているスペインの若手俳優・ビセンテ=デ=サンティリャーナさんだ。
『サンティリャーナはん、こっちは今日店出しした、うちの妹で火月いいますぅ。』 火月の姉芸妓である狭霧がそう言って火月を手招きした。 『火月どすぅ。よろしくお頼申しますぅ。』 仕込みの時、必死に勉強した英会話で火月はビセンテに挨拶した。 『美しいですね。マイコは日本の美が歩いているかのようだ。』 そう言ってビセンテはエメラルドグリーンの目を細めた。 するとビセンテの隣にいた少年が火月を睨んだ。 『さっ、こんなところで話すのもなんやし、お座敷遊びでもしまひょ。』 狭霧の機転によって、気まずい雰囲気にならずにすんだ。 「火月ちゃん、さっきあんたのこと睨んでた子な、ビセンテはんのこれやねぇ。」 次のお座敷への移動中、狭霧がそう言って小指を立てた。 「そうやったんどすか。うち、わからしまへんどした。」 「今度からは気ぃつけなあかんわ。ビセンテはん、あんたのこと気に入ってたしなぁ。」 6話に登場するビセンテ=デ=サンティリャーナは、松岡なつき先生の『FLESH&BLOOD』シリーズ(徳間書店・Chara文庫)に登場するキャラクターです。 ここでは俳優として登場しましたが、原作ではスペインの海軍将校として登場します。 タイムスリップもので面白いので、是非ご一読を。 Novel&Message by 千菊丸さん |