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「久しぶりだな。」
そう言って土御門有匡は、舞妓姿の火月を見て目を細めた。 「半だらりの頃だったお前の半だらり姿のお前も似合うが、だらり帯を付けているお前は輝いて見えるな。」 「おおきに。」 火月は頬を赤く染めながら、有匡に酌をした。 有匡と火月が会ったのは、1年前。 まだ仕込み(見習い)としてお座敷に出ていた火月は、先輩の芸妓から意地悪をされ、お座敷を飛び出し、巽橋のたもとで泣いていた。 その時、見合いの席を抜け出した有匡が、火月にハンカチを差し出した。 「おおきに。」 「縁があったら、また会おう。」 それが、2人の出会いだった。 それから有匡は、『宵乃家』に足繁く通い、火月のご贔屓筋となった。 「祇園小唄」を舞う火月を、有匡は愛おしそうに見つめた。 「芸妓となったお前も見てみたいな。」 「おおきに。」 有匡は、火月の膝の上に頭を預けた。 「しばらく、こうしてもらってもいいか?」 「へえ。」 自分の膝の上で寝息を立てている有匡の頭を、火月はそっと撫でた。 有匡さんと火月ちゃんのラブラブシーンです。 甘甘なシーンを書いてみました。 ちなみに、祇園の舞妓になるには、半年か1年間の修行期間(仕込みさんと呼ばれます)を経てお店出し(デビュー)します。 Novel&Message by 千菊丸さん |