PURE

第六幕
『障害』

第1話


作:千菊丸さん
2004年6月、京都・祇園。
今日もまた、祇園に新しい舞妓が1人、誕生した。
『宵乃家』の前には、大勢のカメラマンがひしめきあっていた。
「火月ちゃん、ほないくえ。」
「へえ、おかあさん。」
火月はそう言って玄関へと向かった。
黒の紋付きの振り袖をまとい、鼈甲の簪をつけた彼女は15歳。
1年前、修学旅行先の京都・祇園で舞妓に魅せられた彼女は、すぐさま『宵乃家』の見習いとして修行を始めた。

最初は花街のしきたりがわからず、悪戦苦闘する毎日だった。
だが先輩達に教えられ、火月は祇園町の住人としての自覚を持つようになった。

そして今日、火月は正式に舞妓としてデビューするのだ。
「おめでとうさんどす。」
「おめでとうさんどす。」
歩くたびに、火月に祝福の言葉がかけられる。そのたびに、火月は舞妓となった喜びで胸が一杯になった。
舞妓としての初めてのお座敷は、料亭「一力」。
「火月どすぅ。よろしくお頼(たの)申しますぅ。」
火月がそう言って襖を開けると、そこにはこの世で最も愛しい人が待っていた。









PUREシリーズ最後を飾る第六幕は、京都・祇園と東京を舞台に、財閥の御曹司である有匡さんと、舞妓の火月ちゃんのラブストーリーです。
私は関西圏に住んでいますが、京都出身じゃないので京言葉はあやふやですので。

全29話の予定です。
今回、有匡さんには奥さんがいて、火月ちゃんとの恋を実らせるには時間がかかります。

Novel&Message by 千菊丸さん


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