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1945年3月、東京。
花梨は女学校を卒業し、『いわしろ』を切り盛りしていた。 「すまないねぇ、あんたには苦労ばかりかけさせちまって。」 そう言って菊は申し訳なさそうな顔をした。 「いいのよ、お母さん。」 花梨はそう言って足をひきずりながら部屋へと向かった。 4年前、彼女は車にひかれ、足が不自由になった。 花梨はその時、綾香が自分を殺そうとしたのだと悟った。 匡峰とはあれ以来、連絡を取っていない。 今は生きているのか死んでいるのかどうか、わからない。 この4年間、日本では食料をはじめとする物資が不足し、人々はみな飢えていた。 そして東京、大阪をはじめとする都市には、アメリカ軍の空襲が毎日あった。 花梨は、匡峰のことが気になっていたが、それどころではなかった。 1945年3月9日。 その日、花梨達は店を閉め、深川の親類宅へと泊まっていた。 「今日はやけに静かだねぇ。」 「そうね、母さん。」 夜10時。 深川に空襲警報が鳴り響いた。 「花梨、逃げるよっ!」 菊は花梨の手をひいて、下町中を逃げ回った。 「お母さん、私を置いて逃げて・・」 「そんなこと、できるわけないだろっ!」 菊がそう叫んだ時、燃えた電柱が2人に倒れてきた。 「お母さん、危ないっ!」 花梨はそう叫んで菊を突き飛ばした。 「花梨ー!」 誰かが、自分を呼んでいる。 『花梨。』 目を開けると、そこには愛しい人の姿が。 「まさ・・みね・・様?」 「しっかりするんだ、花梨!」 匡峰は花梨の手を握りながら、泣きじゃくっていた。 「わたし・・幸せ・・でした・・」 花梨はそう言って、匡峰の頬を撫でた。 「あなたに会えて・・幸せでした・・」 花梨はそう言って、匡峰の腕の中で、息を引き取った。 第二章、終了です。 中途半端な文章になってしまいました。 第六幕『障害』は、京都・祇園と東京を舞台に、祇園の舞妓・火月ちゃんと、財閥の御曹司・有匡さんとのラブストーリーです。 2人はついに結ばれるのか? けれども2人の間には大きな障害が・・。 Novel&Message by 千菊丸さん |