PURE

第五幕
『炎の涙』

第一章
第16話


作:千菊丸さん
「ねぇ父さん、聞きたいことがあるんだけど。」
エドはそう言って、レイチェルが作ったパイを一切れ食べた。
「なんだい?」
「あのさ・・お祖母様とお祖父様って、腹違いの兄妹なんでしょ?」
携帯用のカップに紅茶を注いでたウィリーは、エドの言葉に動揺してカップを落としてしまった。
「どうなの?」
「ああ、本当だ。父さんと母さんは腹違いの兄妹だったんだ。」
ウィリーはそう言って息子に昔話をした。
エリザベスとフランソワの出会い、ウィーンでの出来事、そしてルドルフ皇太子の葬儀に参列したことなどを。
「父さんと母さんは本当に心からお互いに愛し合っていたんだ。僕は、2人の息子であることを誇りに思っているよ。」
「亡くなった曾お祖父様は、2人の結婚には反対したの?」
「ああ。でも2人は反対を押し切って結婚した。曾お祖父様がインドで熱病にかかって死ぬまでずっと、2人は曾お祖父様とは絶縁状態だったよ。」
ウィリーが昔話を終えると同時に、コンパートメントのドアが開いた。
「おや、奇遇だねぇ。」
そこには、エドに会えたことで嬉しい顔をしているボリニュイがいた。
「・・なんでお前がいるんだよ。」
「私は軍人だ。軍人は戦争に行くものだろ、違うかい?」
ボリニュイはそう言ってエドに微笑んだ。










Novel&Message by 千菊丸さん


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