|
「ねぇ父さん、聞きたいことがあるんだけど。」 エドはそう言って、レイチェルが作ったパイを一切れ食べた。 「なんだい?」 「あのさ・・お祖母様とお祖父様って、腹違いの兄妹なんでしょ?」 携帯用のカップに紅茶を注いでたウィリーは、エドの言葉に動揺してカップを落としてしまった。 「どうなの?」 「ああ、本当だ。父さんと母さんは腹違いの兄妹だったんだ。」 ウィリーはそう言って息子に昔話をした。 エリザベスとフランソワの出会い、ウィーンでの出来事、そしてルドルフ皇太子の葬儀に参列したことなどを。 「父さんと母さんは本当に心からお互いに愛し合っていたんだ。僕は、2人の息子であることを誇りに思っているよ。」 「亡くなった曾お祖父様は、2人の結婚には反対したの?」 「ああ。でも2人は反対を押し切って結婚した。曾お祖父様がインドで熱病にかかって死ぬまでずっと、2人は曾お祖父様とは絶縁状態だったよ。」 ウィリーが昔話を終えると同時に、コンパートメントのドアが開いた。 「おや、奇遇だねぇ。」 そこには、エドに会えたことで嬉しい顔をしているボリニュイがいた。 「・・なんでお前がいるんだよ。」 「私は軍人だ。軍人は戦争に行くものだろ、違うかい?」 ボリニュイはそう言ってエドに微笑んだ。 Novel&Message by 千菊丸さん |