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1914年8月、ロンドン・キングクロス駅。 軍服に身を包んだウィリーとエドは、レイチェルと別れを惜しんでいた。 「必ず帰ってくるのよ、約束よ。」 「わかったよ。父さん・・フランソワは?」 ウィリーの言葉に、レイチェルはうつむいた。 「お姉様が死んでから部屋にこもりきり・・フランソワは家にいるわ。」 「そう・・」 ウィリーがそう言ってうつむくと、エドは何かを見ていた。 「ねぇ、あれ・・」 レイチェルとウィリーがエドが指さす方向を見ていると、パジャマ姿で息を切らして走ってくるフランソワがいた。 「ウィリー!」 フランソワは目に涙を溜めながら言った。 「帰ってこい・・私はいつまでも、待っているから・・」 「わかったよ父さん、必ず帰ってくるからね。」 ウィリーはそう言ってフランソワの手を握った。 汽笛が鳴り響き、汽車はホームから離れていった。 「父さん、僕絶対帰ってくるから、待っててね!」 ウィリーとエドはレイチェルとフランソワが見えなくなるまで手を振った。 「これからどうなるんだろうね?」 「さあな。」 ウィリーはそう言って、窓の外を見た。 そこにはのどかな田園風景が映っていた。 Novel&Message by 千菊丸さん |