PURE

第五幕
『炎の涙』

第一章
第15話


作:千菊丸さん
1914年8月、ロンドン・キングクロス駅。

軍服に身を包んだウィリーとエドは、レイチェルと別れを惜しんでいた。
「必ず帰ってくるのよ、約束よ。」
「わかったよ。父さん・・フランソワは?」
ウィリーの言葉に、レイチェルはうつむいた。
「お姉様が死んでから部屋にこもりきり・・フランソワは家にいるわ。」
「そう・・」
ウィリーがそう言ってうつむくと、エドは何かを見ていた。
「ねぇ、あれ・・」
レイチェルとウィリーがエドが指さす方向を見ていると、パジャマ姿で息を切らして走ってくるフランソワがいた。
「ウィリー!」
フランソワは目に涙を溜めながら言った。
「帰ってこい・・私はいつまでも、待っているから・・」
「わかったよ父さん、必ず帰ってくるからね。」
ウィリーはそう言ってフランソワの手を握った。
汽笛が鳴り響き、汽車はホームから離れていった。
「父さん、僕絶対帰ってくるから、待っててね!」
ウィリーとエドはレイチェルとフランソワが見えなくなるまで手を振った。
「これからどうなるんだろうね?」
「さあな。」
ウィリーはそう言って、窓の外を見た。
そこにはのどかな田園風景が映っていた。










Novel&Message by 千菊丸さん


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