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暗い森の中を、火月と有輝達は走っていた。 有匡が足利の兵に連行された後、足利の兵は邸を包囲し、火を放った。 4人は裏口から逃げ、炎に包まれた我が家を後にした。 火月はこのとき、4人目の子を妊娠していた。 3歳の匡喜を抱きながら、火月はひたすら暗い森の中を走った。 (琥龍、どこにいるの・・) 有匡が琥龍に火月の危機を知らせてから30分くらいたつ。しかし琥龍が現れる気配はいっこうにない。 火月は有輝から有匡が連行されたと聞いたときに、失神しそうになった。 昨夜、2人で愛し合ったあと、流れ星に祈った。 ーずっとこのまま、幸せでいられますようにー だがその願いは無情にも引き裂かれた。 (神様、どうして僕たちから幸せを奪うんです?僕たちはただ、幸せに暮らしたかったのに・・どうしてこんな仕打ちをされるのですか?) 「母さん、琥龍おじさんはまだ来ないの?」 有輝が、心配そうに火月を見上げて言った。 「大丈夫、きっと来るわ。だから・・」 そう言った途端、下腹部に鋭い痛みが走った。火月はその場に蹲った。 (お願い、この子を奪わないで・・お願いだから) 火月はゆっくりと立ち上がると、子ども達の手を引いて再び暗い森の中を走った。 「琥龍ー、どこなのー、いるんなら返事して!」 どこにいるかわからぬ自分の幼なじみに向かって、火月は声を張り上げた。 「うっ」 火月は下腹部の激痛で、また蹲った。 見ると脚の間から粘ついた血液が流れていた。彼女は流産したのだ。 火月は声を押し殺して泣いた。 「母さん、大丈夫?」 火月は心配する息子に向かって無理に微笑んだ。 「さあ、追っ手がどこにいるかわからないから、もっと奥へ逃げましょう。」 そう言うと火月は立ち上がり、有輝達の元へと歩こうとしたときー 「いたぞ!」 足利の兵が4人を見つけた。 「有輝、早く妹たちを連れて逃げて!早く!」 火月は半狂乱になって叫んだ。 足利の兵が数本の矢を放った。 「母さん!」 矢は、火月の胸に命中した。 火月ちゃん、有匡さんの子を流産する。妊娠するの早いなぁ・・それだけラブラブなんでしょうね。 夫を連行され、子ども達の手を引いて逃げるとき、無理がたたったんでしょうね。火月ちゃんにとってはショックでしょうね。 次回、有匡さんとブサイク三兄弟の1人、泰成さんとの再会です。 |