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有輝が忠之が言ったことが信じられなかった。 僕が陰陽頭に? かつて祖父がついた地位に、自分が。 突然のことで、有輝は呆然としていた。 「・・き、有輝!」 ふと気がつくと、有輝は皆の視線を集めていた。 「忠之様、恐れながら今回の申し出、考えさせてはくれませんか。」 「何故だ、お前には良い話ではないか。」 忠之は眉をしかめたが、有輝の意見を尊重した。 有輝は一日中、考えた。 陰陽寮で最高の地位に、自分がなる。 けれども、自分のために犠牲となった母、雅和、そして文観父子・・彼らのことを考えると、自分が陰陽頭になるなんて、虫が良すぎる。 有輝は、有匡に相談した。 「父さん、僕はどうすればいいのかな?」 「簡単なことだ。陰陽頭になればよい。お前は自分の信念で、陰陽寮に新風を吹き込める。」 有匡の言葉で、有輝は心を決めた。 翌朝、有輝は忠之に返事した。 「忠之様、陰陽頭の申し出、承ります。」 自分のために犠牲となった人達のことを考えると、自分だけおいしい思いをするわけにはいかない。 でも、陰陽頭となるためにいままで耐えてきた。 葛藤した末、有輝は陰陽頭に。 次回、大団宴の最終回です。 Novel&Message by 千菊丸さん |