陰陽師・土御門有輝

第64話:有輝の思い


作:千菊丸さん
有輝が忠之が言ったことが信じられなかった。

僕が陰陽頭に?

かつて祖父がついた地位に、自分が。
突然のことで、有輝は呆然としていた。
「・・き、有輝!」
ふと気がつくと、有輝は皆の視線を集めていた。
「忠之様、恐れながら今回の申し出、考えさせてはくれませんか。」
「何故だ、お前には良い話ではないか。」
忠之は眉をしかめたが、有輝の意見を尊重した。

有輝は一日中、考えた。

陰陽寮で最高の地位に、自分がなる。
けれども、自分のために犠牲となった母、雅和、そして文観父子・・彼らのことを考えると、自分が陰陽頭になるなんて、虫が良すぎる。

有輝は、有匡に相談した。
「父さん、僕はどうすればいいのかな?」
「簡単なことだ。陰陽頭になればよい。お前は自分の信念で、陰陽寮に新風を吹き込める。」
有匡の言葉で、有輝は心を決めた。

翌朝、有輝は忠之に返事した。
「忠之様、陰陽頭の申し出、承ります。」








自分のために犠牲となった人達のことを考えると、自分だけおいしい思いをするわけにはいかない。
でも、陰陽頭となるためにいままで耐えてきた。

葛藤した末、有輝は陰陽頭に。
次回、大団宴の最終回です。

Novel&Message by 千菊丸さん


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