|
鎌倉の高級宿で泰成がどう有匡を追いつめるかを考えていた頃、京では帝の元護持僧・文観が、1人息子の琴弥を膝の上に抱いていた。 琴弥の母親は、有匡の妹・神官である。神官は、7年前にある事件で有匡邸から家出し、文観に拉致され、有匡を失墜させる計画に加担した。そして文観に暴行され、琴弥を産んだ。 文観が神官に琴弥を産ませたのは、有匡に徹底的に苦しめるための、「復讐」の手段のためだった。 血の繋がりという、永遠の呪いで有匡に苦しめるためだった。 文観は額の傷をそっと撫でた。この傷は、有匡によって呪力を奪われた傷だった。文観はまだ、そのことを根に持っている。 (有匡、お前を苦しめて、苦しめて奈落の底に突き落としてやる。) 膝の上では、琴弥が無邪気に遊んでいる。 この子の母親は我が子の前で自害した。 「お前なんか、産まなきゃ良かったよ・・この、疫病神が!」 息絶える前、神官が琴弥に向かって叫んだ言葉。 文観は、琴弥を抱き上げると、琴弥を犯した。 琴弥はもがきながら、逃げようとしていたが、文観はやめなかった。 そのころ、泰成は、文観に文を書いていた。 泰成は内裏炎上事件の際から、文観と懇意になった。 『有匡をすぐに追いつめられるか?』 文を受け取った文観は、笑みを浮かべた。 文観の陰謀が、いよいよ動き出します。 文観と泰成の魔の手が、有匡一家に迫る。 次回、運命の夜が訪れる。 |