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玉響は、琵琶を奏でていた。 そばには、2年前に生まれた雅和との子・誉(ほまれ)がいる。 雅和の面影を残している、最愛の息子。 政敵狩野の元に嫁いでから、2年。 玉響は夫が遺した子を必死に育ててきた。 夫が亡くなり、狩野の元へ嫁ぐことが決まったとき、命を絶とうとした。 だが、雅和の贈り物が、自分の中に宿っているのを知ったとき。 玉響は生きる希望を見つけ、狩野の仕打ちにも耐えてきた。 そして今日、雅和の無実が証明されたのである。 玉響は荷物をまとめ、家を出る決意をした。 「家を出ます。夫の無実が証明された今、私がこの家にいる理由などありませぬ。」 「何を言う!そなたは私の妻だ、身勝手は許さん!」 ゆでタコのように顔を真っ赤にして怒鳴る狩野に向かって、玉響は冷たい眼差しを向けた。 「私がお慕いしているのは唯一人でございます。」 誉を出て家を出た玉響は、有匡の邸へと足を運んだ。 有匡の邸は、かつて自分たちが暮らした家だった。 雅和亡き後、有匡が邸を買い取ったのだ。 「狩野の家を出てきた。もうあの家にはいるつもりはなかったからな。」 「そうか。」 有匡はそう言うと、玉響に微笑んだ。 「よく耐えたな。」 「誉がいたから頑張れた。」 夕方、狼英がよってきた。 「母上、お元気そうで何よりです。」 「久しぶりだな。これからはこの家で暮らせる。」 「この子は?」 狼英は自分の足元にまとわりつく子どもを見ていった。 「お前の弟だ。」 そう言った玉響の顔は、晴れやかなものだった。 メッセージいままで書けなくてすいませんでした。 玉響さん、雅和さんとの子を産んでました。 生きる希望を、誉ちゃんが与えてくれたのですね。 最終回までもう少し。 マイペースで頑張っていきたいと思います。 Novel&Message by 千菊丸さん |