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倫成の葬儀が終わった後、琴弥は陰陽生達に呼び出された。 「お前だろ、倫成を殺したのは。」 「そうだよ。」 琴弥の答えに、彼らはざわめいた。 「倫成は何も悪いことしてねぇじゃねぇか。どうして殺したんだよ。」 「だって、僕を裏切ったんだもの。」 琴弥はそう言うと、指先で髪を弄び始めた。 「お前なんだな、雅和様を失脚させたのも。」 「とんでもねぇヤツだな。」 「信じらんねぇ。」 琴弥は平然としていた。 「倫成は僕を裏切った。だから殺したの。あの・・忌々しい有輝の側につこうとしていたからさ!」 琴弥はそう言って扇子を握りつぶした。 「有輝が悪いんだ!有匡様の愛を独り占めして、宮中でもかわいがられて・・宮中から追い出してホッとしたのに・・突然舞い戻ってきやがって!!」 憎悪で顔を歪ませる琴弥に、陰陽生たちは黙っていた。 「なんで有輝が関係あるんだ?あいつは関係ないだろ。」 「関係あるよ。だってあいつは、僕の従兄弟だもの。」 「いとこ?お前と有輝が?」 「マジかよ?!」 「・・必ず息の根止めてやるんだ。」 琴弥はそう言って陰陽生達の間をすり抜けていった。 「やっぱり琴弥が倫成殺したんじゃん。」 「言いにいこうぜ。」 そう言うと、陰陽生達は、忠之の元へと向かった。忠之は、役所で取り調べを受けに行くところだった。 「忠之様!」 「みんな、どうした?そんな顔して。」 忠之は、陰陽生達のただならぬ様子に気づいた。 「俺達、琴弥を呼び出したんです。倫成が琴弥を殺したんです。雅和様を失脚させて、有輝を伊豆に流したのも・・全部・・」 「それに、琴弥と有輝は従兄弟同士なんです。」 「そうか、よく言ってくれたな。」 忠之は弟子達に微笑んだ。 「絶対俺達のこと言わないでください。俺達、有輝を助けたいんです。文観は信用できません。」 そう言うと、陰陽生達は去っていった。 忠之は陰陽生達の証言をそのまま役所で言った。 そして文観と琴弥父子が一連の呪詛事件に関わっていることを訴えた。 役所は忠之の証言を認めた。 中宮呪殺事件の黒幕は文観父子で、有輝と雅和を失脚させ、皇太后を毒殺したのも彼らの仕業であることが、宮中に知れ渡った。 埋もれていた真実が、ようやく暴かれたのである。 華月は、兄の無実が晴れたことを知り、よろこんだ。 同じく、玉響も夫の疑いが晴れて、ようやく心が安らかになったのだった。 Novel&Message by 千菊丸さん |