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有匡は夢を見ていた。 「有匡、久しぶりだな」 「父上・・」 幼い頃死に別れた父。 「父上、聞きたいことがあります。」 「なんだ?」 「父上の心残りだったことはなんですか?」 ・・・・・一瞬、間があった。 「私はお前を守りたいと思った・・だがお前を守ってやることができなかった。けれども火月が・・私の代わりにお前を守ってくれた・・残念だったことは、孫の顔が見られなかったことかな。」 有仁は有匡の手を優しく握った。 「どれだけお前は私が死んで辛い思いをしたことだろう・・忌まわしい血に苦しめられたお前を見ると思うと辛くてな。」 「父上。」 有匡は、有仁が自分の手を握っている手の上に、そっと自分の手を重ねた。 「・・私は、後悔してません。父上の子として、生まれたこと。」 有匡はそう言って、有仁に微笑んだ。 「私がこの世に生をうけていなければ、火月や子どもたちに会えなかった。何度も生まれてきたことを後悔したことがあったけど・・けれども、生まれてきてよかったと思っています。」 「そうか、私はお前に何もしてやれずに逝ってしまった・・お前は子どもたちを守ってやれ。」 「父上、また会えるでしょうか?」 「ああ、いつでも会えるさ。」 夢から覚めると、まだ手には、父の温もりが残っていた。 有匡さんと有仁さんとの会話。 幼い頃に父を亡くし、1人で頑張ってきた有匡さん。 そんな有匡さんを、有仁さんはあの世から見守っていたんですね。 |