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有輝達が雅和一家の元で暮らすようになってから10年。 狼英と有輝は陰陽寮に勤務することとなった。 陰陽寮とは、天皇の秘書官として、天皇の衣服を用意したり、朝廷管轄の書物・宝物の管理をするという中務省のひとつであり、陰陽寮には今日の大臣や長官に当たる「陰陽頭(おんみょうのかみ)」のもとに、専門職に相当する陰陽博士・天文博士・暦博士・漏刻博士が各1名、さらに陰陽師が6名(講師のような仕事をしていた)と博士達の配下で技術を学ぶ陰陽生、天文生、暦生などが所属していた。 それぞれの部門ごとの学生は10名で、その中に優秀な成績を収めた陰陽師候補と呼ばれる得業生と呼ばれるも者が2,3人ずつ。この得業生の中に、有輝と狼英が含まれている。 陰陽頭は、賀茂忠之(かものただゆき)。雅和とは同期の陰陽生であり、彼の親友でもある。 忠之は有輝の才能に会った瞬間にわかり、有輝を何かとサポートしてくれる頼もしい上司で、陰陽寮の先輩である。 陰陽生の中には、倫成とその取り巻き、そして康成がいた。康成は有輝の姿を見るなり、自宅から持ってきた琵琶を取り出し、ラブソングを歌い出した。 作詞・作曲:土御門康成 Y・O・U・K・I My Love,何故君はそんなに冷たいの? 俺の心は護摩壇の炎のように真っ赤に燃えてるのに WHY 気づいてくれない 君は俺の心を燃やす永遠の女神さ、My Love!!(×20) 琵琶をかき鳴らしながら髪を振り乱しながらシャウトする康成は、明らかに浮いていた。 (疲れた・・) 陰陽寮勤務1日目は、そんな感想で締めくくられた。 「有輝、久しぶりだね。」 陰陽寮を出ようとすると、後ろから声をかけられた。 振り向くと、そこには琴弥が立っていた。 「久しぶりだね。」 「ああ。」 「なんだか疲れてるようだね、どうかしたの?」 「土御門のホモ野郎からラブソングの洗礼を受けてさ・・」 「康成さん、有輝のことお気に入りだからね。」 「嬉しくないよ。」 「それじゃぁ、また明日ね。」 「じゃぁな。」 有輝が去ってゆく後ろ姿を、琴弥はものすごい形相をして睨んだ。 「思い知らせてやる・・僕が味わってきたいままでの思いを、思い知らせてやる・・」 そう言うと琴弥は手に持っていた扇子を握りつぶした。 陰陽寮についての参考サイト 「桔梗院」 http://www.geocities.jp/kikiyouin/ 康成のラブソングの洗礼を受けてしまった有輝。陰陽寮勤務初日から不吉な予感・・。 陰陽寮編スタートです。 琴弥が狂っています。 知っている人もいると思いますが、すえのぶけいこ先生の「ライフ」という漫画に登場する、愛海(まなみ)という女の子をモデルに琴弥を書きました。愛海は大企業の社長令嬢で、学校ではいい子、そして人気者なんですが、それは仮の姿。本当はドロドロとした憎しみを持ち、汚い陰謀を企てる、恐ろしい女なのです。詳しくは別冊フレンドをご覧下さい。 有輝に対して憎しみ全開の琴弥。彼が今後どのような行動をとるのか。 |