陰陽師・土御門有輝

第28話:事件


作:千菊丸さん
有輝と琴弥は、雅和の元で力を切磋琢磨しあっていた。
狼英も加わり、3人は、親友となった。
だが、倫成達は、それを快く思わなかった。
ある日のこと。
倫成が有輝にからんだ。
「お師匠様は知ってるのかな?お前が罪人の子だってことを。」
有輝は無視したが、倫成は有輝にまとわりつき、口汚く罵った。
「うるさい!」
あまりにもしつこいので、有輝は倫成を殴った。
「何をしている!一体何の騒ぎだ!」
玉響が有輝と倫成を引き離した。
「お前なんか生まれてこなければよかったんだ!この一族の恥曝しが!」
「黙れ!」
玉響は倫成を殴った。

「お前は家柄のことを誇っているようだが、家柄だけで出世できると思うな!一流の陰陽師には、それに備わった能力と人格がなければならない。その両方をお前は持っていない!相手を罵り、金で力を示そうとするやつは、ここから出ていけ!お前はもう追放だ!」
倫成は泣きじゃくりながら雅和邸を飛び出しっていった。取り巻き達が慌てて後を追う。

その日の夜、玉響は部屋に有輝を呼んだ。
「お前はよく我慢したね。それでこそ一流の陰陽師の器だ。いいか、有輝、お前は父上を恨んではいけない。父上はお前をいつも想ってくださっている。いいかい、決して恨んではいけないよ。」

有輝が部屋を出た後、玉響は夫の寝所へと忍び込んだ。
「なんだ、いきなり。」
雅和は、夜這いしてきた妻に驚いた。
「いいだろ、たまには。」









倫成、玉響に追放される。
まぁ自業自得でしょうね。

話は変わりますが、玉響さんのことを紹介しておきましょう。
玉響は、鬼族の頭の妹で、武術の達人。竹を割ったような性格で、曲がったことは大嫌い。
雅和の最大の理解者である。
権力や富、地位といったものには固執しない。
有輝達にとって「第2の母」。

家柄だけで力を誇示しようとする倫成を一喝し、追放したのは、倫成の態度があまりにもひどかったのと、玉響の逆鱗に触れたのでしょうね。

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