陰陽師・土御門有輝

第25話:長い戦い


作:千菊丸さん
有輝達が安倍雅和邸に来てから数日。
雅和と玉響は有輝達を我が子同然に愛情を注ぎ、慈しんだ。
それは玉響は有輝が権門・土御門家の血縁であるとわかっても、変わらぬ事はなかった。
玉響は有輝達にとって、「第2の母」であり、家柄、身分や権力などにはこだわらず、雅和の弟子にも平等に接した。
夫の雅和もそうであった。京一の陰陽師として名声が高まっている雅和であったが、それを鼻にかけることなく、自分たちの弟子に対しては時には厳しく、また優しく接した。
玉響と雅和の子・狼英(ろうえい)は、両親に愛情を注がれ、すくすくと育った。
狼英は有輝とたちまち仲良くなった。それは2人の生い立ちにいくつかの共通点があったからだった。
狼英の母・玉響はかつて京を騒がした鬼族の頭の妹であり、狼英は人と鬼との混血として、幼いながらも周囲の奇異や畏怖の視線に晒され、孤独を感じていた。有輝もまた、半人半狐と野猫族との間に生まれ、両親に愛情を注がれながらも、孤独に苛まれていた。
同じ孤独を味わった2人だが、狼英と有輝は生涯で唯一無二の親友となった。

有輝と狼英は、雅和の弟子と共に陰陽道の応用を習うことになった。
その日の朝、2人が弟子達が集まる部屋に入ると、そこには倫成達がいた。
泰成は大金を積んで、倫成達を無理矢理雅和の弟子にしたのだ。
倫成の隣には、彼の兄・康成がいた。

「知ってるやつなのか?」
有輝は倫成達を睨みながら言った。
「ああ、とんでもないクソッタレなんだよ、あいつら。」
この日から、有輝と狼英、倫成達の長い戦いが始まった。









有輝君、倫成と再会する。
親父が金を積んで無理矢理雅和さんに頼んだんですね・・全て金で済まそうとする魂胆が卑しい。
倫成と有輝君の対立はこれから深まります。

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