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有匡と引き離された有輝達は、京で土御門家の門を叩いた。死返球を有輝が掲げると、使用人達は有輝達を渋々と中へと通した。 「これからお世話になります。」 有輝達が頭を下げると、泰成と土御門一門は、冷たい目で彼らを見下ろした。 土御門家にとって有匡の存在は目障りで、一族の面汚し以外のなにものでもなかった。そもそも、有匡の父・有仁が帝を惑わした妖狐と駆け落ちし有匡が生まれたこと自体が、世間体を重んずるこの家にとっての最大の恥であった。その上、有匡が内裏を炎上させ、朝廷の倒幕計画を暴露して没落の憂き目にあっている今、有輝達にいい感情を持つなど、この一族の者にとっては、無理な話なのであった。 有輝は一族の者が自分たちを歓迎していないのは、わかっていた。使用人達の態度も冷たく、有輝達を恐れて近づきもせず、物陰でひそひそと悪口を言い合っている始末であった。 土御門家の子ども達は、嫌悪と悪意を剥き出しにし、有輝達をいじめた。体面を重んじる大人達とは違い、子ども達は醜い感情を直接有輝達にぶつけた。だが有輝達はやられっ放しというわけではなく、有輝と華月は手を組んで、強烈な仕返しを子ども達にお見舞いするのであった。毎日が、戦争のようであり、有輝達と土御門家の子ども達との仁義なきバトルが繰り広げられた。 末っ子の匡喜は病弱でおとなしいので、いつも子ども達の標的とされた。 匡喜はいじめに耐えているうちに鬱となり、毎日母を想っては泣く日々が続いていた。 土御門家での生活は、有輝にとっても、華月にとっても、そして匡喜にとっても、息の詰まる生活であった。 土御門家で有輝達は世話になるが、毎日が息苦しいものだった・・。 土御門家の人たちは、世間体を重んじているばかりの心のない人たちだなと思ったのは、コミックス6巻で、火月ちゃんが土御門家でブサイク三兄弟にバレて、殴られそうになったところを有匡さんが庇った時でした。土御門家の人たちにとって、有匡さんは一族の恥曝しなんでしょう。幼い頃、父を亡くし、土御門家の養子となって、京で暮らした日々は本編では描かれてないですが、有匡さんが人嫌いになってしまったのは、京での生活が背景にあるのではないかなと思いました。 世間体ばかり気にする人ほど、愚かな人だと、私は思っています。世間体を第一に考えて、子どもをないがしろにしている親の元で育った子どもは一番可哀想だと思いますね。 |