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有輝は、母の死を有匡に告げることで苦悩していた。母を守れなかった自分に、有匡がどんな反応をするのか。 隠していても、いつかはバレてしまう。 有輝は母の死を有匡、そして紅牙のみんなに告げる決心をした。 その日の夜。 食事の席で、有輝は口を開いた。 「父さん、みんな、ごめんなさい。僕、母さんを守れなかった・・」 いままで賑やかだった席が、水を打ったように静まりかえった。 「どういうことだ、有輝?」 有匡が険しい表情で有輝に詰め寄る。 「あの夜、母さんは僕たちを連れて逃げてたんだ。でも母さんのおなかには赤ちゃんがいて、母さん無理をして流産しちゃったんだ・・立ち上がろうとした時、足利の兵が来て・・」 火月の妊娠を聞いた有匡は、いっそう表情を険しくした。 「なんで母さんを守らなかった!お前は式神を使えただろう?」 「だって、その時は逃げるのに必死で・・」 「やめろよ有匡、俺が悪いんだ。あのとき寝てたりしてなければ・・」 有輝に向かって腕を振り上げようとする有匡を、琥龍が止めた。 「そうだよ。有輝はまだ小さいんだ。有匡みたいに式神を使いこなせないよ。」 禍蛇も、泣き出そうになっている有輝をなだめた。 「うるさい、お前達はひっこんでろ!有輝、お前はあの夜、母さん達を守ると約束したはずだ!なのに・・」 有匡はそう言うと、有輝に拳を振り上げた。 「嘘つきが!お前を信じてた私がバカだった!」 そう言うと有匡は部屋へと引っ込んでしまった。 「有匡、あんなに殴ることないじゃん。俺も、火月が死んだこと悲しいけど・・有輝は、火月を守ろうとしたんだよね?」 泣きじゃくる有輝を、禍蛇が慰めた。 「うん、でも間に合わなくて・・」 「俺が悪いんだ。酒に酔って、爆睡してたから・・お前のせいじゃねぇって。」 そう言うと、琥龍は有輝の頭を撫でた。 「有匡、しばらく荒れるよね。だって、いままで支えてくれた火月を失ったんだから・・」 そう言った途端、禍蛇が突然、口を覆って、外へと向かった。 「禍蛇おばさん、どっか悪いの?」 「いや、あれはもしかして・・」 琥龍はそう言って照れ臭そうに笑った。 「またできちゃったよ。」 禍蛇は、8人目の子を妊娠した。 広間で禍蛇の妊娠祝いが行われる中、有匡は部屋で1人、有輝をぶった手を見つめていた。 有輝君が母の死を有匡に告げて、殴られれる。有匡さんは火月ちゃんが死んだショックと、突発的に湧いた怒りで、有輝君を殴ってしまったんでしょう。 有輝君は母を守りたかったけど、できなかった。 そして禍蛇ちゃんの妊娠。子沢山だなぁ。週刊賃貸のCMみたいだ・・。 私は1人っ子なので、大家族に憧れています。大家族はある意味大変だけど、賑やかでいいなぁ。 |