陰陽師・土御門有輝

第18話:波乱


作:千菊丸さん
有輝は、母の死を有匡に告げることで苦悩していた。母を守れなかった自分に、有匡がどんな反応をするのか。
隠していても、いつかはバレてしまう。
有輝は母の死を有匡、そして紅牙のみんなに告げる決心をした。

その日の夜。
食事の席で、有輝は口を開いた。
「父さん、みんな、ごめんなさい。僕、母さんを守れなかった・・」
いままで賑やかだった席が、水を打ったように静まりかえった。
「どういうことだ、有輝?」
有匡が険しい表情で有輝に詰め寄る。
「あの夜、母さんは僕たちを連れて逃げてたんだ。でも母さんのおなかには赤ちゃんがいて、母さん無理をして流産しちゃったんだ・・立ち上がろうとした時、足利の兵が来て・・」
火月の妊娠を聞いた有匡は、いっそう表情を険しくした。
「なんで母さんを守らなかった!お前は式神を使えただろう?」
「だって、その時は逃げるのに必死で・・」
「やめろよ有匡、俺が悪いんだ。あのとき寝てたりしてなければ・・」
有輝に向かって腕を振り上げようとする有匡を、琥龍が止めた。
「そうだよ。有輝はまだ小さいんだ。有匡みたいに式神を使いこなせないよ。」
禍蛇も、泣き出そうになっている有輝をなだめた。
「うるさい、お前達はひっこんでろ!有輝、お前はあの夜、母さん達を守ると約束したはずだ!なのに・・」
有匡はそう言うと、有輝に拳を振り上げた。
「嘘つきが!お前を信じてた私がバカだった!」
そう言うと有匡は部屋へと引っ込んでしまった。

「有匡、あんなに殴ることないじゃん。俺も、火月が死んだこと悲しいけど・・有輝は、火月を守ろうとしたんだよね?」
泣きじゃくる有輝を、禍蛇が慰めた。
「うん、でも間に合わなくて・・」
「俺が悪いんだ。酒に酔って、爆睡してたから・・お前のせいじゃねぇって。」
そう言うと、琥龍は有輝の頭を撫でた。
「有匡、しばらく荒れるよね。だって、いままで支えてくれた火月を失ったんだから・・」
そう言った途端、禍蛇が突然、口を覆って、外へと向かった。
「禍蛇おばさん、どっか悪いの?」
「いや、あれはもしかして・・」
琥龍はそう言って照れ臭そうに笑った。
「またできちゃったよ。」
禍蛇は、8人目の子を妊娠した。
広間で禍蛇の妊娠祝いが行われる中、有匡は部屋で1人、有輝をぶった手を見つめていた。









有輝君が母の死を有匡に告げて、殴られれる。有匡さんは火月ちゃんが死んだショックと、突発的に湧いた怒りで、有輝君を殴ってしまったんでしょう。
有輝君は母を守りたかったけど、できなかった。
そして禍蛇ちゃんの妊娠。子沢山だなぁ。週刊賃貸のCMみたいだ・・。
私は1人っ子なので、大家族に憧れています。大家族はある意味大変だけど、賑やかでいいなぁ。

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