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有匡は、愛おしい息子達の姿を探していた。箱根の関に着いてもう6日。有輝達はもう箱根の関を越えているかもしれない。 それでも有匡は探し続けた。 そのころ、有輝達は箱根の関を越えようとしていた。だが、空腹ゆえもはや歩く気力もなかった。 今夜もまた野宿である。 すやすやと眠る妹たちの寝顔を見ながら、有輝は死返球を取り出し、父のことを想った。 あの日の夜から、有匡の行方はわからない。有匡が道中、脱走したことも、有輝は知らない。 (父さんに会いたい。) 有輝は父を想いながら眠りに就いた。 『有輝。』 有匡はそう言って、有輝を抱き上げ微笑んだ。 朝が来た。 有輝は妹たちを起こそうとした、その時。 「有輝。」 3人が寝ている木の傍に、有匡が立っていた。 「父・・さ・・ん・・な・・の・・?」 有輝はあまりの驚きで、呼吸ができなかった。 「有輝、会いたかった・・」 そう言うと有匡は微笑んだ。 「父さーん!」 有輝はたまらず有匡に駆け寄った。 「いままでよく、妹たちを守ってくれたな、ありがとう・・」 そう言うと、有匡は有輝を抱き寄せた。 華月と匡喜も、父との再会を喜んだ。 有匡は、子ども達を連れて、唐土へと向かった。 有輝君達と有匡さん、やっと再会できました。有輝君は、邸を焼かれて母を亡くしても、妹たちを守ってきたんですね。泣き言も言わず、1人で堪え忍んできたんですね。 やっと有匡さんに会えて、嬉しかったんですね。 |