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愛してる、大切、傍に居て欲しい。 守ってくれなんて言わない。 あたしは十分に自分を自分で守れるから。 守ってあげるなんて言わない。 あんたはあんたで、自分を守れるでしょうから。 でも、共に生きたい、共に歩みたい。 傍に居て欲しい。ずっと、あたしの隣に。 熱病にも似た、あんたへの想いだけがあたしの中に渦巻く。 それはあんたと別れたあの夏が過ぎても、変わることがなかった。 そして、それはきっと、あたしが苦手な寒い季節に移り変わっても 変わることのない想いだと想う。 けれど、その熱が何時か冷めてしまうかもしれないと想うと、 あの時感じたあの寂しさと悲しさが、何時か色褪せて、 遠い想い出だと、懐かしい事だと想える日が来てしまうのかもしれないと想うと、 それはとても……悲しかった。 少なくともあたしは、この想いは一生消えないと信じていたから。 なんの保証もなく、けれども信じるのは自由だから。 あたしはずっと、これからも、あんただけを想っているって 絶対、何も憚らずに言えるから。 あんたを失った悲しみに暮れ、長い間抜け殻のように過ごしていたけど。 今はそうじゃない。 あたしはだって生きているし、 あんただって、この世界の何処かで生きてるんだから。 ……見つけ出してやろうじゃない。 盗賊いびりみたいな簡単な、けれども趣味と実益を兼ねたのとは違って、 きっと探し出すのは至難の技なんだろうけどさ。 でも、ゲームは難しいほど燃えるし、面白いものだから。 幾らあんたが嫌がっても、あたしはもうそう決めたからね。 もしかすると、あんたに別れを告げられた時よりも大きなショックを受けるか もしれないけど、 そんなこと構いやしない。 今のこの気持ちのままうだうだとしてるくらいなら、 そっちの方がよっぽどすっきりするし、諦めもつくというもんよね。 さぁ、見てなさいよ。 これが、これこそが、あたしがあたしである所以なんだから。 輝きを放つ中秋の名月を眺めて…… あたしは一人、そう心に誓った。 青白い月光が、あたしが進むべき道を照らして居てくれるような、 そんな気がして、少しだけ、嬉しかった。
Fin. |