Desire

作:千菊丸さん



Part9.第2の戦い―美しき刺客―

美那子達のクラスに、転校生がやって来た。
名は麗春。弓月をも凌ぐほどの美少年。
女子達はすっかり彼の虜になった。
だが、麗春の真の狙いは。
美那子である。
ある日の放課後、麗春は美那子を音楽室に呼び出した。
美那子は半信半疑で音楽室に向かった。
―その頃弓月と晴明は―
「お前、何者だ?」
「美那子と別れろ。」
弓月の眉が歪んだ。
瞳は怒りで燃えていた。
「お前にそんなこと言われる覚えはない。」
「美那子と契ったか。」
弓月は真っ赤になった。晴明はそんな弓月の反応を楽しんでいるかのようだった。
弓月の怒りは頂点に達した。
弓月は晴明に雷を放った。
晴明は太刀で弓月の雷を切り裂いた。
「ふん、とうとう本性を現したか。」
晴明は弓月の姿を見て言った。
弓月の姿はいつもと違った。
金の髪に青い瞳・・その姿は父親から受け継がれた鬼の姿であった。
いきなり晴明は、弓月を羽交い締めにした。
「な、何をする・・」
必死に抵抗するもむなしく、弓月は白い絹のドレスを着せられ、髪を結われ、その上化粧までさせられた。
どうやら晴明は弓月をわざと挑発して、このチャンスを伺っていたに違いない。
「お、お前・・」
「?」
「コスプレマニアだな。」
晴明の顔が一瞬引きつった。
晴明は真っ赤になって、弁解したが、弓月は耳を傾けなかった。
ちょうどそこに若王丸が忘れ物を取りにやってきた。
「あーあ、数学の宿題やらなく・・・ちゃ・・・」
もう、彼の頭には数学の宿題など隅に隅に追いやられていた。
彼は、女装した弓月に心奪われていた。
弓月、受難・・。
「だー、しつこいぞ!いい加減気づけ馬鹿ー!」
弓月はその後必死で逃げていた。
「名前を聞かせて下さい〜!」
後ろから目をハートにしながら追いかける若王丸。
晴明の意外な一面をしってしまった弓月であった・・。
その頃麗春は、美那子に迫った。
「どう、俺と付き合わない?あんな奴より俺の方が・・」
「嫌だね。」
麗春は諦めなかった。
美那子は麗春をほっといて、音楽室を出ようとした。
が。
「何、これ・・。」
扉には、鍵が掛かっていた。
ただならぬ気配がして、振り向いた。
麗春の様子がさっきと違っていた。
(鬼!)
美那子は、とっさに五芳星の数珠をかざした。
麗春は、ナイフで美那子の左胸を突いた。
「うっ」
「どうだい?花月様の念が込められた刃の手応えは?」
「あんたまさか・・」
「花月様に頼まれてね。弟を誘惑した忌まわしい娘を殺せとな。」
美那子は数珠を麗春に振りかざした。
赤い光が数珠から放たれ、麗春はその光をもろに受けた。
「ぎゃあああああ」
麗春の身体は燃え上がり、灰と化した。
ナイフが床に突き刺さった。
美那子はナイフを抜こうと、身を屈めた。
その時。
美那子の左胸に、激痛が走った。
美那子はその場に蹲った。
(弓・・月・・)
その頃。
弓月はまだ若王丸に追いかけられていた。
花月はその様子を水晶玉で見ていた。
「弓月・・美しい・・」
弟のあまりの美しさに、うっとりする兄。
おかしいぞ、この兄ちゃん絶対に・・



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