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Part.59 喪服 花月の遺体はハワイのオアフ島で発見された。 弓月は、変わり果てた兄の遺体に涙を流した。 通夜には、晴明や歳三が集まった。 弓月は通夜の間、魂が抜けたような状態だった。 唯一の肉親を亡くしてしまった弓月のショックは、計り知れなかった。 深夜、弓月は眠れず、外に出た。 「花月があんなことになるなんて・・惜しい男を亡くしたものだ。」 晴明がいつの間にか弓月に寄り添いながら煙草を吸った。 「陰陽師として奴とは幾度か対決したが、最近はよく酒を呑み交わしたものだ。」 そう言うと晴明は長い黒髪を掻き上げ、去っていった。 花月の葬儀から数日経った後。 白衣を着る時以外は、喪服だった。 花月を亡くした弓月の心は、完全に打ちのめされた。 弓月は死ぬまで、喪服を脱がなかった。 |